お酒を飲み始めて半世紀近く、まつわる話も多く、まずはビールから。
若い頃は往診鞄に一升瓶が入っていると言われた程の酒豪だった父に合わせるために、ビールだけは飲めるようになったと母からは何度か聞かされました。
二人でビール
「二十歳の原点」に書いてありました、そこしか覚えていませんが、お酒が飲めるかは「素質、訓練、その日の調子」。母は訓練したのでしょうね。
晩酌としてビールを飲むようになったのは30歳の頃だったと思いますが、ビールがやがて発泡酒になり、宴会での「とりあえずビール」は「是非ビール」となりました。なお、晩酌はビールに戻しています。
とりあえずビール
ビールはアルコール度数換算するとお酒の中ではやや割高ですので、ある時宴会の幹事から言われました、「はい、ビールはこれまで。ここからは焼酎で」。
ある宴会で「ビール(大瓶)1本をお猪口で飲んだら1万円あげる」と言われ、飲むには飲みましたが、戻すほど悪酔いしました。
お猪口でビール
父は腎不全で2ヶ月近く入院した後、退院した日の夕食時にビールをコップに2センチほどで注ぎ、うまそうに飲みました。
「何で病院はこんなうまいものを出さないのだ」と、医者でしたが。
せいぜい2口くらいでしたが、それをたまたま来ていた叔母が見ていて、帰ってから叔父に話しました。
最後のビール
翌日には叔父から電話があり、「何を考えているんだ!」等々、30分以上説教を食らいました。
父は退院4日後に亡くなりましたが、あの時のビールは最後の親孝行、飲ませなかったら一生後悔した、と今でも思っています。
ツーさん【2021.7.26掲載】
葉羽 お猪口でビールの話は僕も若い時に聞いた。もし家で落ち着いた雰囲気の中だったら絶対できると思うんだけど、宴会だと異常な雰囲気になっちゃうんだよね。最後の話は要するに末後の水だね。でないと、お父さんは死んでも死にきれなかったろう・・あげてよかったネ。