社会人2年目から14年間は研究所勤務で、有機合成化学を専門として色々な化合物を合成することが主な仕事でした。
自宅で有機化学の専門書を読むこともしばしばで、とある休日に机に向かって読んでいると、当時幼稚園児だった息子に「パパ、なにしているの?」と訊かれ、「これはパパのお仕事だ」と答えました。
有機化学の専門書の一例(恩師森先生著:筆者提供)
すると息子曰く「な~んだ、パパのおしごとは、おえかきかぁ」と。
父の面目丸つぶれ、で面目躍如とばかりに「パパは博士だぞ」と。
それを聞いた息子は怪訝そうな顔で私を見つめ、顔には「はかせにはみえない」と書いてありました。
鉄腕アトムの再放送を見ていた息子にとって、博士のイメージはお茶の水博士、30代前半だった私はそのイメージからかけ離れていたのですね。
お茶の水博士(左)
当時の息子にとって父は、子供みたいなお絵描きを仕事にしている法螺(ほら)吹きとしか映らなかったのでしょうか。
先日娘のところの幼稚園年長の孫に「じいじは博士だぞ、博士に見える?」と訊くと、「うん」と。私もそういう年齢になったのでしょうか。
ところで“hakase”と入力し何気なく“博士”と変換しましたが、思うに“博士”を何故“はかせ”と読むのか。
ネットでも調べましたが、引用するのはやはり「角川国語辞典」(雑感137)。
角川国語辞典
“はかせ(博士)”は“はくし(博士:専門技術について高度の研究をした人に授けられる学位)の俗称”と。
ずっと“はかせ”と言っていた私は博士のもぐり???
いえいえ、恩師森先生(雑感3)から何度も聞かされました「“はかせ”の“は”に濁点が付くことのないように、はっはっは」と。
ツーさん【2021.4.5掲載】
葉羽 「はかせ」の方が俗称だったのか!? ずっと間違って使ってたよ(笑)