奥田英朗のエッセイ「延長戦に入りました」の一節、「こういった国民性の違い・・・世界の多くの国では「時間を守ろう」という概念がない・・・」を読んで思い出しました。
「延長戦に入りました」奥田英朗
研究所勤務だった平成4年3月にポーランドの教授が来訪し、昼食時の会話でした。
教授は前日に大阪から東京へ移動したが、新幹線ひかりは500キロの距離を3時間で走って、どうして1分と違わず着くのか?と訊いてきました。
私は日本の技術力の賜物ではないかと答えましたが、教授が首を横に振ながら言った「パンクチュアル(punctual:時間を守る、時間に正確な)」という単語だけは頭に残っています。
新幹線ひかり
その時点で海外出張の経験はなく、教授が言った「日本人は国民性としてパンクチュアルである」に実感はありませんでしたが、本社勤務となったその年の9月に欧州出張してよく分かりました。
コペンハーゲン(デンマーク)でのコエンザイムQ10国際学会に参加しましたが、同行のK君と30分前には会場に行きました。が、開会時刻になっても誰も来ません。
誰もいない学会会場にて(筆者提供)
主催者の教授の1人に訊くと「バスが遅れているみたい」、言外には「それがどうしたの?」と。
ミラノ(伊)では現地商社のイタリア人とポテンシャルカスタマーを何カ所か訪問しましたが、そのイタリア人は毎日遅れて来ました。
ストラスブール(仏)からフランクフルト(独)へは鉄道移動でしたが、発車時刻を1時間半以上過ぎても走り出す気配はありません。
TGV(フランス高速鉄道)
近くにいた乗客に「どうして走らないのですか?」と訊くと「サムタイムス(sometimes:時々)」と全く意に介さずといった感じでした。
逆に日本人はパンクチュアル過ぎるのでは、と思ったりもしますが。
ツーさん【2021.1.18掲載】
葉羽 日本の中でも沖縄県でパーティを主催した時、殆どの来賓が時間通りに来なかった。福岡でもそれに近い事があり、それぞれ「沖縄時間」・「福岡時間」ですよ平然と言われた。本州と北海道ではそんな事ないなぁ・・南方は特別なのか?(笑)