昨年秋に山形県南陽市の母の実家に住んでいた、歯科医の従兄が亡くなり、弔問に行きました。7年ぶりの訪問でした。
従兄の父、即ち私の伯父、黒江太郎も歯科医でしたが、歯科医の傍ら短歌にも通じ、斎藤茂吉の門下生でもありました。
「新潮日本文学アルバム 斎藤茂吉」にも伯父の著書が3冊、参考文献として載っています。
新潮日本文学アルバム 斎藤茂吉
折角の機会でしたので、弔問した翌日に上山市にある斎藤茂吉記念館を訪れました。
広大な敷地にゆったりと建てられた茂吉記念館は、ちょうど紅葉の時期だったこともありますが、紅葉と建物の調和を見るにつけ、文学館というよりは美術館を彷彿とさせる面もありました。
茂吉記念館の銅像
たまたま特別展「茂吉の妻 斎藤輝子」が開催されていて、略歴の中にダンスホール事件(不良華族事件:上流社会女性のスキャンダル)なるものが記されていましたが、詳細は分かりませんでした。茂吉の経歴を読んでも、軽く触れているだけでした。
医師としても歌人としても優れた業績を残し、言ってみれば偉人ですが、偉人の経歴は美化されるのでしょうか。
特別展「茂吉の妻 斎藤輝子」
そう言えば安部公房に愛人がいたことも、「新潮日本文学アルバム」には一切書いてありませんでした。
でも凡人たる私が死んだら言われるのでしょうね、「あいつはいい奴だった。でもね、実は・・・」とかとか。
ツーさん【2020.2.10掲載】
葉羽 郷土の誇りとして建設された記念館だから、それに相応しくない部分は省略されるんだろうね。ま、訪れる方にしても、そんなスキャンダラスなネタを期待してる訳じゃないから問題ないけど。