30歳になった頃でしょうか、新潮社から「新潮日本文学アルバム」なる本が確か全20巻で刊行され、1巻1作家(または俳人、歌人)で、その作家の一生を写真と文章で綴ったものです。
夏目漱石や森鴎外など10数冊読んでいました。
最近になり全75巻(作家編71冊、別巻4冊)であることを知り、昨年秋頃に残り全てを読みました。
作風ができあがった背景などにはあまり興味はなく、作家の生き様に何となく惹かれるものがありました。
でも記憶に残っているのは三面記事的なものばかりです。例えば・・・
檀一雄が不倫相手と御茶ノ水の山の上ホテルで同棲し、その不倫があったからこそ「火宅の人」が書けたこと。
2年ほど掃除をしていない書斎で執筆する坂口安吾の写真。
ベースボールが好きだった正岡子規が幼名「のぼる」に因んで「野球(の・ボール)」を雅号に使ったこと。
その子規が自分の後継者と心に決めた高浜虚子の生家は、全くの偶然ですが、時の子規宅と実は隣り合わせだったこと。
虚子という俳号は、子規が虚子の幼名「きよし」をもじって「きょし」としたこと。
菊池寛は胃腸疾患全快祝いの最中に狭心症を起こして亡くなり、通夜に来るべき人たちがほとんどその場にいたこと。
覚えていても何の役にも立たないことばかり覚えていますね。
ツーさん【2019.1.14掲載】
葉羽 筒井康隆の先祖は筒井順慶の足軽だったらしいとかね(笑)