セレンディピティとは「自分が目的とするものとは別の価値あるものを偶然発見する能力」のことで、言ってみれば「偶然の幸運」です。
私は20代の頃に研究所長から、そのことを聞いていました。
40歳前後の頃ですが、セレンディピティが科学の世界では一種ブームとなり、私の専門は有機合成化学でしたので、化学同人の「セレンディピティ」や「化学」の平成5年9月号のセレンディピティ特集を興味深く読んだ記憶があります。
私が研究に勤しんだ10数年の間に、専門的なことですので詳述はしませんが、研究を振り返ってみて、これが自分におけるセレンディピティかなと思えることが幾つかありました。
研究とは「偶然の幸運」を期待して進めるものではありませんが、それが起こった時、ただ漫然と実験していたのでは捕まえられません。
そういうことが目の前に現れるのは数年に一度あるかないかくらいですが、それが起こった時に見逃さないためには、普段から観察眼を養っておくことが重要と思います。
予期せぬことが起きた時にそれを見過ごさない眼です。
そして予期せぬ事象をきちんと解明しておくことです。後になってそれが役立ったことが多々ありました。
化学(科学)の世界におけるセレンディピティを述べましたが、あらゆる分野にあり、ヒット商品は偶然の幸運の産物も多いと思います。
ツーさん【2018.8.6掲載】
葉羽 これは知らなかった。うん、僕は文系ですから(笑)