「井上ひさし全芝居」全7巻を読み終えて、少しは井上ひさし（平成22年没）の芝居を観てみようかと思いました。

　井上ひさしは50以上の戯曲を書いていて、それらの初演は20年、30年以上前ですので、今もなお公演されているものは淘汰されたもので、ハズレはないだろうという思いもありました。

「シャンハイムーン」

　2月に「シャンハイムーン」という芝居を、学芸会とか以外では初めての観劇ですので、期待に胸膨らませて観に行きました。

　が、はっきり言って、心躍るということはありませんでした。

　3月には「ムサシ」という芝居を観に行きました。こちらは非常に楽しめました。これが芝居かと思うほど、観劇に感激でした。

（「ムサシ」制作発表）

　どちらも名作の誉れ高く、特に「シャンハイムーン」は谷崎潤一郎賞を受けたほどの作品です。では何故、自分の受け止め方が違ったか。

　「シャンハイムーン」は2、3週間前に戯曲の方を読んでいて、自分が頭の中で演出した芝居がまだ残っていて、その相違を感じていた気がします。

　一方「ムサシ」の戯曲を読んだのは1年以上前で、筋はもう忘れていましたので、純粋に芝居そのものに入って行けたのですね。

　人それぞれの観劇の楽しみ方があると思いますが、私なりの楽しみ方が分かりました。

　『筋を忘れてから観に行く。』

　 ツーさん【2018.5.21掲載】

葉羽　そうだね、「筋を忘れてから観に行く」は至言だ。それだから、僕は未だに大量の漫画が捨てられないで本棚を占領している。忘れた頃に読み直す「ジョジョ」（通算100巻くらい？）なんかもう6周目だよ（笑）