私が大学に入学したのは昭和48年でしたが、大学紛争は沈静化していたものの、その影響がまだ残っていて入学式はありませんでした。
その代わりに、(確か)教養学部主催の新入生歓迎会のようなものが日比谷公会堂で行われました。
(日比谷公会堂)
教授や先輩方の話、オリエンテーションなどがあったと思いますが、足を運んだことしか記憶にないくらいです。
でも一つだけ覚えていることがあります。誰が話したかは忘れましたが、某教授が話された、某奥さんとのこんな会話でした。
某奥さん「先生、有吉佐和子の“恍惚の人”はお読みになりました?」
某教授「まだです」
某奥さん「えっ、まだですか。先生、あれは3ヶ月も前に出ましたよ」
某教授「奥さん、ダンテの“神曲”はお読みになりましたか?あれは300年以上前に出ていますよ」
奥さん「・・・」
恍惚の人は昭和47年発行で、当時ベストセラーでした。
(こちらは映画のDVD)
因みに神曲は400年以上前の発行です。3ヶ月前に呼応しての300年以上前です。
某教授は何が言いたくてこの話を引合いに出したかは忘れましたが、この部分だけが鮮明に記憶に残っています。
何となくではありますが、私が小説を読む時の一つの指針になっているような気がします。
ツーさん【2018.3.19掲載】
葉羽 これは多分、有名なジョークで、三浦一郎の「ユーモア人生抄」にあったと思う。(…という事は「偉人たちの天衣夢縫」にも??)
なので、「何が言いたくて」というより、当意即妙にジョークで返したという事かも知れないね♪