私は入社1年目こそ工場勤務でしたが、2年目からは14年間研究業務に勤しみました。
1つの研究が終わりますと、権利化できるものは特許出願、次いで社内の研究報告をまとめ、外部発表が可能なものは学会発表、報文化(主に英語)とまとめの作業を行います。
研究報告は企業の財産ですが、その一番の読者はというと、それは書いた本人なのです。
私の専門は有機合成化学でしたが、過去に経験したのと同じタイプの反応を行うこともしばしばあります。
反応条件を設定する際には、文献を紐解くよりは自分が書いた研究報告を読む方が参考になります。
そのような時に実験項のみならず本文も読んでしまいますが、とても今の自分には書けない、あの時だったからこそ書けたと過去の自分に感心することが、時としてありました。
どんなに素晴らしい研究を仕上げたとしても、時の流れと共に達成感は失われ、陳腐化した研究報告しか書けません。
何事にも旬があり、旬を過ぎれば旬は超えられなくなる気がします。
ツーさん【2017.11.13掲載】
葉羽 実は昨日ね、岸波通信その151『それ行け、マジシャンズ!』をリニューアルしてたのさ。それで思ったのは、確かにこれはあの時実際にやったパフォーマンス(僕は司会)だったんだけど、あの当意即妙のハイテンションな進行は、とても今の僕にはできないなと。2008年のことなのでほぼ10年くらい前なんだけど、今コレをやれと言われたら、即座に「ごめんなさい」だろうね。あの時だからできた…つまりそれが「旬」なのだろうと。ま、いい思い出にはなってるけどね(笑)