平成24年3月に恩師森謙治先生(私が卒業した農芸化学科有機化学研究室の2代目教授。私が会社から留学派遣された時の教授)の喜寿祝賀会が学士会館であり、冒頭に森先生からご報告として、5日前に恩師松井正直先生(研究室の初代教授。私の卒論時の教授)が亡くなられたという話がありました。
森先生が松井先生の経歴や業績を話された後の、最後の一言に胸が熱くなるものがありました。
前年の秋口に森先生がお見舞いに行かれた時に、松井先生は「森君、君は僕と一緒で良かったかい?僕は良かったよ」とおっしゃったとのこと。
言わずもがなではありますが、一緒に研究をすることができて良かったということです。(参考:日本農芸化学会「化学と生物」、8月号、2012年)
私はお2人の先生をよく知っており、お2人とも日本学士院会員(森先生は一昨年12月から)であり、学界の重鎮のお2人が向かい合って言葉を交わしている姿がくっきりと目に浮かび、より一層ジーンとくるものがありました。
人生は出会いと別れの連続、どんな出会いにも、形はいろいろでしょうが別れは必ず訪れます。
その時にお互いに「あなたと知り合えて良かった」と言えるような関係を、誰とでも築ければと思います。
ツーさん【2017.9.18掲載】
葉羽 人との出会いは大切だね。仲間たちもそうだけど、僕は恩師にも上司にも、そして後輩にも恵まれていると感じる。「生かされて生きている」…そういう事なんだろうね。