会社勤務で管理職になった頃から、部下の方の書いた報告書などのチェックをする機会が増えてきました、と書きましたが(雑感 367)、基本的にチェックしていたのは内容です。
ついでに変換ミスや「てにをは」の間違いもチェックします。ですので内容の間違いに関してはきちんと説明するものの、変換ミスについては「見れば分かる」と。
変換ミス
小説やエッセイにも変換ミスはあることも書きましたが(雑感 362)、最近幾つか、内容の間違いに気が付くことがありました。
「五分後にホロリと江戸人情」(講談社文庫)の中の1編では、主人公の末吉が男物の財布を拾うところから話が始まります。
「五分後にホロリと江戸人情」
後で持ち主を探そうと思っていたところ、長屋の大家の河兵衛が財布を落としたとのこと。
で、「・・・(同じ長屋に住む)おみやに、俺(末吉)が財布を拾ったところを見られていたのだ。河兵衛は引き立てられる罪人のように・・・おみやの後に従って部屋に向かった。きっとおみやは・・・正直に打ち明けなさいと、と諭すに違いない・・・」と。
文中の「河兵衛は・・・」は「末吉は・・・」の間違いとしか思えません。
「ひと駅ストーリー 冬の記憶」
「ひと駅ストーリー 冬の記憶 西口編」(宝島社文庫)の1編に次のような記述がありました。
『・・・大塚の元には、ときどき奇妙な電話がかかってくる。・・・中川は、ある日一回だけ盗み聞きに成功した。・・・必死で耳をそばだてたが・・・大塚の鼻息ばかりが聞こえた。・・・中川は電話を切ったようだ・・・』。
電話を切ったのが「中川」となっていますが、どう考えても「大塚」の誤りと思えます。
間違いではないかと何度か読み返しましたが、はっきり言って時間の無駄。顧客本位できちんとチェックしてほしいと思ったしだいです。
ツーさん【2025.5.12掲載】
葉羽 ツーさんには、リンクミスの指摘などでお世話になってまーす!(笑)