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雑感396 競馬場にて




by Tsuji
Reported by Tsuji
MP3"くつろぎ時間" by 音楽の卵
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 「小川洋子の偏愛短篇箱」(河出文庫)中の宮本輝の「力道山の弟」では、力道山の弟を名乗る人物が、「力道粉末」なる妖しい薬を売る場面があります。

 居合わせた老人が「力道山は私の店に時々来て親しくしているが、弟の話なんて聞いたことがない」と言うと、力道山の弟と名乗る男は「その店の名前は福助、あなたは丹波文造さん、兄から聞いています」と。

 「小川洋子の偏愛短篇箱」

 周りの人たちはすっかり力道山の弟と信じますが、実は居合わせた老人は仲間で、信用させるための芝居だったのですね。

 独身の頃には時々競馬場に行きました、主に府中競馬場ですが。

  府中競馬場

 その時も府中競馬場でしたが、その日は全然馬券が当たらなかったのしょう。帰ろうかと出口に向かうと、人だかりがあり、何をやっているのか覗いてみました。

 何か小冊子を持った商売人が「その日の第1レースの(連勝複式の)目で、2レース以降に出やすい目がある。それをまとめたのがこの冊子で、ここに書いてある通りに買えば、儲かること間違いなし。誰か過去のレースの結果が載っている新聞を持っていないか?」と。

 その頃の馬券は単勝、複勝、連勝複式(1、2着馬の枠を当てる)で、連勝複式が主流でした。

  連勝複式馬券

 すると誰かが「持ってるよ、じゃあ、先週の川﨑競馬の第1レースの目は2-7」と。

 それを受け商売人は、2レースは3-5、3レースは1-4などと。半分以上当たり1レース千円投資で、1日数万円の儲けに。

 その日は負けたという心理に付け込まれたのか、1万円払って買いました。

 でも、先週の新聞を持って競馬場に来る人はなく、信用させるための仲間との芝居だったのですね。

  予想新聞を手に

 力道山の弟の話は薬事法違反ですが、こちらは詐欺でもなく、いかさまでもなく、おもろい商売とでも言うのでしょうか。

  ツーさん【2025.4.21掲載】

葉羽葉羽 福島競馬場長になった星君の誘いで、同級生みんなで行ったっけなぁ・・貴賓室の凄い席に。結果については話したくないが(笑)


力道山の空手チョップ

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