「ゲルピン」という言葉は今や死語かとも思いますが、「ゲル」はドイツ語のgeld(ゲルト=お金)に由来し、「ピン」はピンチ由来とも貧しいの貧(ひん)が訛ったとも言われていますが、現代でも通じる言葉で言えば「金欠」ですね。
まだ大学生が少なかった頃にインテリ風を吹かせ英語のmoneyではなくドイツ語を使い、学生仲間では多用されていたようです。
ゲルピン
私の学生時代には、言葉だけは知っているものの、あまり使われることはなかったと記憶しています。
大学に入学し一人暮らしを始め、仕送りは5万円でうちアパート代が1.9万円。残りの半分くらいが食費で、その残りが雑費や小遣いといった感じでした。
贅沢をしなければ生活できる額でした。父は開業医でしたのでもっと仕送りが多くても家計に響くことはなかったでしょうが、分をわきまえるということでお互い納得していた感じです。
家庭教師
さらに学生時代の半分くらいは家庭教師をしていましたので、幸いなことにお金に困ることは基本的にありませんでした。
それでもゲルピンになることもあったのです。大学3年(昭和50(1975)年)の夏休みに帰省しようといたら、手持ちの現金では電車賃が足りませんでした(当時は全てニコニコ現金払い)。
で郵便局の通帳を見ると残金2,000円で1,900円を引出し何とか事なきを得ました。
1,900円引出した郵便局の通帳(筆者提供)
当時仕送りは銀行振込みでしたが、そちらに残金はなく、郵便局にちょっとだけ残金があったのですね。
上野駅(当時東北の玄関と言えば上野)へ行き東北本線特急自由席の列に並んでいると、同級生のN君(東大文Ⅰ)の姿が。
もう手持ちの現金はなく、彼に缶ビールをおねだりしました。
砂漠にオアシス♪
まさに「砂漠にオアシス」でした。
ツーさん【2025.1.27掲載】
葉羽 僕もね、1~2年の時は家庭教師を毎週3人と4人やってたよ。忙しすぎてお金を使う暇がなかった。3年からはさすがに自分の勉強もしないとヤバイと思った。福島から行った同級生が二人留年したから(笑)