小説はもう新刊本で読むことはなく、もっぱら文庫本です。文庫本は巻末に解説が載っていることが多いですが、基本的に解説は読みません。
理由の一つには作品をヨイショするような解説しか載っていないというのがあります。
文庫本用収納具
そして、小説を読んでの私の感想は「面白い」「まあまあ面白い」「普通」「あまり面白くない」「つまらない」の5段階評価くらいですが、解説を読んで評価が上がっても、それは作品の力ではなく解説者の力量です。
あくまで作品のみと向き合う、それが私のスタンスです。絵画鑑賞もそうですね。
ところで先日「戦後文学を読む」(講談社文芸文庫)なる本を読みました。
「戦後文学を読む」
その本は楽天ブックスで購入しましたが、購入サイトの本の表紙の画像には21名の作家が記載されていて、それらの作家の短編集と思い込んでしまいました。
しかし実は、それらの作家による、9名の作家の17作品についての鼎談(ていだん)方式での合評(がっぴょう:幾人かが集まって批評すること。また、その批評。←角川国語辞典:私はこの言葉を初めて知りました)という内容でした。
買った本は、読み始めてつまらないと感じても最後まで読みますので、合評の対象となっている作品は読んだことのないものばかりでしたが、その本も何とか最後まで読みました。
「群像短篇名作選1970~1999」
たまたまその後に間もなく読んだ「群像短篇名作選1970~1999」(講談社文芸文庫)に合評対象だった藤枝静男の「悲しいだけ」が載っていました。
私にとってはあまり面白くない作品でしたが、13頁ほどの作品に対して、合評は18頁に亘っていました。
在りし日の藤枝静男/1993年死去
小説よりもその合評の方が長いことに感心してしまいました。
ツーさん【2024.9.9掲載】
葉羽 昔から、リドル・ストーリーのように解釈が分かれる物については論評が盛り上がるよね。ミステリー・ドラマの「考察」なんてのもその類かな(笑)