「酒中日記」(中公文庫)で吉行淳之介が書いていました。
「・・・その翌日。午前十時に目覚めてから、ひどい二日酔いであることが分る。・・・午後三時まで、嘔吐が間歇(かんけつ)的につづき・・・夜、八時、ようやく人心地つく。・・・」と。
二日酔い
飲んだ翌日は二日酔いで仕事にならなかったということで、サラリーマンで言えば会社を休んだということですね。
武田百合子は「富士日記」(中公文庫)の中で二日酔いに関して「・・・頭痛と吐気に加えて、お調子にのって燥(はしゃ)いだ自己嫌悪が襲ってくる」と書いていましたが、自己嫌悪に苛(さいな)まれるのは確かですね。
30代前半くらいまで、まだ若いと言われる頃までは、飲めばよく翌日のことなど考えずに、飲めるだけ飲んだものです。
居酒屋
飲んだうえでの武勇伝みたいな話も多々ありますが、酒飲みとして一つ自慢できることがあるとすれば、二日酔いで会社を休んだことはないことです。
飲んだ翌日が休日で午前中はほぼ寝ていた、なんてことは結構ありましたが、どんなに辛くても翌出勤日に会社を休んだことはありませんでした。
二日酔いを悟られまいと、自己嫌悪と戦いつつ普段以上に一生懸命働いたくらいです。
ぜんぜん酔ってません
たいした自慢にはならないと思っていましたが、吉行淳之介の記述を読むと、自慢に値するのかなと。
30代半ばを過ぎた頃からは自分の酒量をきちんと把握認識できるようになり、ハイペースだと思えばペースを緩め、時には早めに切り上げ、「少し大人になったような気がする」なんて思った記憶があります。
ツーさん【2024.6.10掲載】
葉羽 そっか、すごいなぁ・・僕なんかコントロールできてきたのは50歳を越えてからだったよ(笑)