少し前に読んだ「東京オリンピック 文学者の見た世紀の祭典」(講談社文芸文庫)は、東京五輪1964当時の文学者が新聞や週刊誌(サンデー毎日など)に寄稿したルポルタージュ集です。
もう半世紀以上前のことで今では考えられませんが、新聞社等からの依頼で数十名の作家が現地に赴き観戦記を書いているのですね。
「文学者の見た世紀の祭典」
解説の高橋源一郎が「・・・この文庫に集結している・・・作家たちのリストがすごい。作家の総動員態勢といってもいいのではないか・・・」と述べているように、錚々(そうそう)たる顔ぶれです。
全90編あまりの最初の開会式観戦記には・・・獅子文六、石坂洋次郎、石川達三、三島由紀夫、石原慎太郎、杉本苑子、北杜夫、大江健三郎らの名前が。
ちょっと調べますと、著者のうち芥川賞作家が10名、直木賞作家が8名でした。
獅子文六
「文豪が書いた云々」なんて短編集には夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介、太宰治らの文豪が並びますが、ここまでの多人数ではありません。
余談ではありますが、時代のなせるわざみたいな感じで思い出したのが従軍作家で、解説でも少し触れていました。
その後で読んだ吉行淳之介編「酒中日記」は酒にまつわるエッセイ集ですが、さらに豪華な執筆陣でした。
「酒中日記」DVD
吉行淳之介自身が芥川賞作家ですが、32名の執筆者のうち芥川賞作家が7名、直木賞作家が17名です。それ以外にも瀬戸内晴美(後の寂聴)、吉村昭、筒井康隆、星新一などの著名作家が名を連ねています。
ちなみに続編の「また酒中日記」も負けず劣らずの執筆陣です。
豪華執筆陣で、だからどうだということもありませんが、ちょっとだけ得をした感じはありました。
ツーさん【2024.5.27掲載】
葉羽 うむ、「通信」の関係者もシンガーソングライター片平里奈の父とか、団鬼六先生の姪とか、福島県医学史『黎明期の群像』の編集者とか、映画『男は男である』のW主演俳優とか隠れた有名人が多いかもよ(笑)