「文豪」を愛用の「角川国語辞典」(雑感 312など)で調べますと、「特にすぐれている文学者。偉大な作家」とあります。
明確な定義はなく、文芸評論家などの判断に委ねられているようです。
「角川国語辞典」
私のイメージとしての文豪は、私が生まれる(昭和29(1954)年)前に亡くなった、明治・大正・昭和前半に活躍した作家の中で偉大と言える作家、という感じです。
ですので川端康成や大江健三郎に「ノーベル文学賞作家」という冠は付いても、文豪と呼ぶことには違和感があります(川端康成は昭和前半に活躍するも、亡くなったのは私が高校3年の時でしたし)。
川端康成
あくまで私の感覚ですが。安部公房も三島由紀夫も偉大な作家とは思いますが、文豪というと疑問符が付きます。
ところで最近読んだ長山靖生編「文豪と酒」「文豪と東京」「文豪と食」「文豪と女」(中公文庫)の解説には作家の没年が記してありました。
長山靖生編「文豪と酒」
谷崎潤一郎1965年、尾崎士郎1964年、江戸川乱歩1965年、三好達治1964年、永井荷風1959年、高見順1965年、坂口安吾1955年、山本周五郎1967年とあり、彼らは同時代に生きていたと再認識させられました。
上記の作家の中でも谷崎潤一郎はノーベル文学賞候補にもなり、ちょっと抜きん出ている感じで、誰もが文豪と認めるでしょうから、そういう偉大な作家と10年ほどとはいえ同じ時代を過ごしたことは、私の中のちょっとしたサプライズでした。
谷崎潤一郎
文豪の名作は高校の頃に山本有三の「路傍の石」など幾つか読んだ程度で、大学入学以降は読んでいませんが、谷崎潤一郎らに親近感が湧き、少しは読んでみようかと。
ツーさん【2024.3.11掲載】
葉羽 もうノンフィクション以外は読まないだろうから、読んだら是非、教えてね♪