先週この雑感に書いたように、小説に芸能人の名前が出てきても驚かなくはなりましたが、少し前に読んだ短編集「運命の人はどこですか?」(祥伝社文庫)収載の柚木麻子著「残業バケーション」にはこんなくだりが。
「・・・その鼻歌もしかして、松任谷由実の『冬の終り』・・・『その時、ハートは盗まれた』の主題歌・・・」と。
「運命の人はどこですか?」
ドラマが放映されたのは1992(平成4)年とのことです。
この雑感を書くためにアンテナを高くしているから気付いたのかもしれませんが、小説にTVドラマが出ているのを目にしたのは初めての気がします。
『冬の終り』
私は歌もドラマも知りませんでしたが、平成4年頃の世相は記憶にあり、小説自体は違和感なく読めました。
そのちょっと後に読んだ短編集「Yuming Tribute Stories」(新潮文庫:ユーミンの歌のタイトルが小説名)には同じ著者による「冬の終り」が収載されていました。
作中「・・・この曲、内田有紀と一色紗英が出ていた学園ドラマのエンディング・・・」と。
「Yuming Tribute Stories」
これらの小説が30年、50年と時を経て違和感なく読み継がれるかどうかは分かりませんが、考えてみれば小説が時を超える必要はないのですね。まあ小説に限りませんが。
勿論時代を超えて色褪せない小説、歌、等々ありますが、基本的には自分が生きている間に売れればよいのであり、死後に印税が入っても自分のものではありませんから。
でも松任谷由実は時代を超えていますね。半世紀近く経た1976年のアルバム「YUMING BRAND」の曲は今聴いても新鮮ですし(雑感 94)、曲のタイトルが小説になり、ドラマ化もされるようですし(ユーミンストーリーズ)。
「ユーミンストーリーズ」制作開始
むむっ、結局はユーミン賛辞になってしまいました。
(ちなみに、短編集「Love Songs」(幻冬舎文庫)も松任谷由実、SMAPなどの歌のタイトルが小説名でした)
ツーさん【2024.2.19掲載】
葉羽 うん、ユーミンは永遠だよね。同世代だし。