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  by Suzaku-RS / Site arranged by Habane
"Fair Wind" by TAM MusicFactory

朱雀RS専門学校に入って、ようやく落ち着いた日々を過ごす様になっていた。

 

 実習講師をしていた時である、なれなれしく近づいてくる学生が居た。

「朱雀さん、これ実行してくれない?」

朱雀RS「本当は駄目なんだぞ! 今晩、処理しといてやるよ」

 僕はコンピューターの管理を任されて、自由に使える立場にあった。 だから実習時間以外のズルッコには、慣れっこになっていたのだが・・・

朱雀RS「オイオイ、O田君! 何人分あるんだよ、これぇ~?」

(悪魔の声) まとめて、持ってくるなよなぁ~たくっぅ~!

O田は遠慮の無いおとこであった。

 思えば、この頃、O田をはじめ、いろいろな学生たちがいた。

 I内、M崎、ETC・・・N岸・・・えっ、N岸ィぃ~!

 青森出身のその娘は、雪女のようにマッシロシロスケで・・・
 雪のような肌ってこういう事を言うんだなァ~
 美人ってこういう娘のことをいうんだろなぁ!

←(も、もしや、いつものパターンかっ?!)葉羽

 そんなある日、O田が・・・

「実習の時、いつもチラチラ見てるでしょう?紹介して上げるよ。」

「この課題が上手くいったら、N岸が朱雀さんに手料理御馳走してもいいって言ってたよ!」

 ~と言う。

(えっ、そう、そうなの・・・。)朱雀RS

 イヤイヤ、イケン、僕には大阪に好きな人がいるもの!!!

朱雀RS「冗談だろぉ~、遠慮しとくぜ!」

 危ういところで、踏みとどまった。(ホッ・・・)
 そんなことがきっかけで、僕等は兄弟になった。

 僕は大切な宝物を同時に二つ手に入れた。
 生涯を通ずる友人に出会う事が出来たのだった。

 一人はO田ナオ、まるで秀才を絵に描いたような奴だ。
 知合うにつれて、僕とは
 コインの裏表のような存在であることが判って来た。

 そしてもう一人はN岸アッチ、青森産の雪女だ!
 彼女のことは、妹分に任命した。

 そして彼女は・・・
 滅茶苦茶、料理が上手い!

 良く仲間で飲みに行っては、最後にアッチの手料理をゴチになった。 アッチの部屋は学校から近かったので溜まり場のようになっていた。

 そんな折、大家さんからの苦情と、
 もっと勉強したいという理由でアッチは引っ越すことになる。

 引っ越してしばらくたったある日、電話が鳴った。

「朱雀氏ィ~、朝御飯食べにおいでェ~!」

 この「ィ~」がたまらない! フニャ!
 妹に骨抜きになってどうするぅ!

朱雀RS(あれぇ、そういえば二人きりなんて初めてじゃないかぁ~)

 フニャフニャ・・・

(悪魔の声)これは、ひょっとして・・・???

 ほんとに、男ってばどうしようもない生き物である。
 イヤイヤ、イケン、僕には大阪に好きな人がいるもの!

 すんでのところで、踏みとどまった。(ホッ・・・)
 まぁ、取敢えず、僕は車のアクセルに蹴りを入れた!

 ぶおおぉーん!

←(踏みとどまったにしては、急発進だけど?)葉羽

日本橋界隈

Powerd by Colt-Speed

←多摩丘陵を駆け抜ける当時の愛車。

 読売ランド前の丘一つを越えてアッチのもとへと・・・
 ヤットコラサ・・・エットコラサ・・・

 朝メシィ~!!!

朱雀RS「オッハヨ~! アッチィ、メシ食いさ来た!」

「おはよう、ユキ!」
 ・・・って、なんでだよぉ~!

 僕を名前の後ろで呼ぶのは、ナオしかいない!
 なんで、オマエがここにいるわけぇ??

 しかも、パジャマ姿でぇ・・・  自失呆然!!!

「朱雀氏ィ~、というわけでした!」

 なにがトイウワケなんだよぉ~ このバカ娘っ!
 仲間内の恋愛は御法度でしょう~

 ナオちゃん、僕に紹介してくれる約束だったよねぇ~?
 大昔の約束らしいけれどもォ~

朱雀RS「ハイハイ、オメデトさん、末永くね!はいはい!」

 だいたい、君達ねぇ!
 僕の大切な人との始めてのスキー旅行の時、
 なんで、偶然、遭ったりする訳ェ?

 八方だよ、ハッポウ! 邪魔するなァ!
 お前らなぁ、苗場ででも滑ってろよぉ!
 様子なんか見に来てんじゃぁねぇよ!

(悪魔の声)ホントニ、たくっぅ~!

 やがて、ナオとアッチは結婚した。
 光栄にも僕は、司会を務めさせてもらった。
 彼等の新居は埼玉県朝霞台の公団だった。

「朱雀氏ィ~、引っ越してくればぁ!」

 と妹が言うので、僕もその階下に引っ越した。

 何故って、関越自動車道の近くにあるその公団は
 SKIにとっても都合が良いのだ。

 ナオはSKI仲間でもあった。
 それにアッチの手料理が食べられる!

朱雀RS(一石二鳥である。)

 ということで、生涯の友人夫婦を得た僕だったが、
 この時はまだ自分が、彼らの導きで
 再びアスリートへの道に挑戦することになろうとは
 考えてもいなかった・・・。

 上を向いたらキリがない 下を向いたらアトがない 泣いてたまるかっ! 夢がある

(by 朱雀RS 2012.7.21 リニューアル・アップ)

朱雀RS葉羽さま 

 前作「甘言雑言に負けた日」を読み返していたら・・・
 思い出して腹が立って来てしまいました。

 自分を怒るべきでしょう!
 KINGS-ROADなんて無いのだぞと・・・

 結局、地道に積み上げて行く事が、最大の近道なのだと!
 天才って、きっと、努力を一杯する人達の事なんだと・・・

 葉羽氏、いつもながら
 編集と校正を有難う御座いました。

 みなさん、甘い言葉には気をつけよう!!!
 朱雀RS でした。


 


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