File.015「月とピアノと一歩前進」
ある日の早朝、西向きの窓のカーテンを開けたら、朝日を待つ暗い空に月がポッカリと浮かんでいた。
|
夜明け前の月 |
今、ヒゲメガネ犬が住んでいる場所は、冬になると鉛色の空を眺める日が多くなり、そのうち空から白い魔物が降りてきて容赦なく街を覆い尽くす。
「雪」という可愛いシロモノではない。白い魔物である。天に住む魔王の子分達である。まるで、バイキンマンに従う沢山のカビルンルンのようだ(・・・え?)
11月中旬、ヒゲメガネ犬が住む場所で初雪を観測した。空からハラハラと舞い降りるというレベルではない。あれよあれよという間に湿気を含んだ雪がドサドサ降ってきて、周囲を白く染め上げた。
・・・まだ冬タイヤに交換していなかったんですけど・・・。
慌ててディーラーに駆け込んでも予約でいっぱいで、かなり悲しい思いをした。さらに、交換予約最短日が一週間も先だったり、とんでもない2013年の初雪になってしまった。
やめてよ、いい加減にして!!!!~と、心の中の叫びだけでは足りず、つい、声に出してしまったヒゲメガネ犬。
そんな晩秋(というか、既に初冬)の早朝の月。時間の経過とともに太陽が姿を現し、少しずつ空の色も変わり、月の様子も優しげになってきた。(※右上の背景画像)⇒
そんな月を眺めながら、ヒゲメガネ犬は寝不足でしょぼしょぼしている目をこすりながら郡山市に向かい、茨城県に住む高校の同級生と合流し、ピアノの恩師宅にお邪魔した。実に●●年ぶりに聴いた同級生のピアノ。
大半のピアノ経験者が弾かずに通り過ぎてしまう「ゲオルク・フィリップ・テレマン」。恩師も(おそらく)初めての指導になったと思う。
同級生の恩師に当る人は残念なことに現在は引退しており、弟子をとっていない上、同級生が最近までレッスンを受けていた某・大学の教官は個人的な事情によりレッスンができなくなってしまい、指導者を求めて彷徨っていた同級生から「●●先生(←私の恩師)の指導を受けたいんだけど、了解を得てもらえるかな?」と頼まれ、私が仲介したというわけである。
幸い、私の恩師は「引退」という二文字と縁がない人の上、かなりのチャレンジャーなので、テルマンだろうが肉まんだろうが(こらこら)楽譜初見で指導可能大明神!!
うむ~~~!!!!!
恩師の同級生への指導を目の当たりにし、自分の日頃の演奏や練習(及び、練習時間)、技術、感性を振り返ることができた。振り返り、そして、大反省。
そして、少しだけノリノリで同級生を指導する恩師の姿に嫉妬(爆)。
くっそぉ・・・・・・・・・っ!!!!!(お下品な!)
私もあそこまでノリノリで指導されたいわよ!!
というか、私、まだまだなんじゃない?
恩師を本気にさせていないんじゃない??
・・・かなりショック。
そして、反省。
大・大・大反省!!!!!
落ち込んだ。
|
朝ぼらけの月 |
けれど。
ショックと反省は、その日の朝の月からのプレゼントだと思うことにした。
同級生を指導する恩師を見て、また、同級生の演奏を聴いて、「何も感じない自分」でなくて良かったと思えたから。そう思わなくちゃ、前進できないよねっ♪
そうそう、一歩前進!!
明後日も一歩前進!!
次のレッスンまで・・・さて、何歩前進できるやら(^^;)
夜になって、恩師から「今日の(僕の)指導、どうだったろうか?あれで良かったかな?彼女(同級生)は何か言ってなかった?」との電話があり、つくづく、恩師の弟子であることに誇りと幸せを感じた(爆)。
ここで、恩師へ一言。「・・・年をとりましたね、先生 (^^)」
さーて、がんばるぞ!!
月に負けるな、ヒゲメガネ犬!!(そういうオチ??)
☆ヒゲメガネ犬☆ 2013.11.23 |