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#025 ドイツで生け花-3

by Rei
Reported by Rei
BGM "明るく楽しく上品に"
by
TAM Music Factory
Site arranged by 葉羽

Rei ”ドイツで生け花”のもう一つの話は、ハンスさんという女性の思い出です。

 最初は、ドイツ式花輪リースの作り方を教えてもらったのですが、そこから今度は、私が日本式生け花を教えてあげる流れとなり・・。

◆ハンスさんと生け花(その1)

 ハンスさんは、最初のドイツ滞在時、立ち上げたばかりの合弁会社の副社長夫人だった。

 ご主人である副社長は、博士号の所持者、われわれ日本人は、彼を「Dr. Hans ドクター・ハンス」夫人を「ドクターハンスの奥さん」と呼んでいた。

  ハンス夫人(画像は無い:笑)

 余談になるが、ドイツ人はドクターとかプロフェッサーとかいう称号を重んじる。

 家の表札にドクター某と書かれていることも多い。呼びかけには必須だ。ドクターをつけないと返事をしてくれない、という話もあるくらい。

  表札(例)

「ドクターハンスの奥さん」では長いので「ハンスさん」と書く。

 

 ドイツでの2年目だったと思う。ハンスさんの自宅で、ワインの試飲会があるというので招かれた。

 ハンスさんは、ザンクト・ゲオルゲン(St.Georgen)というハイデさんの住むシュランベルクに近い町に住んでいる。

St.Georgen

 集まったのは10人くらい。

 フランス人のワイン業者が、鼻にかかるフランス語訛り?のドイツ語でワインを紹介し、参加者はウンチク傾けつつ試飲し、気に入ったら注文する、という仕組みだ。

  ワインの試飲会

 もともとアルコールは不得手、それに運転手のわたし。

 興味を惹かれたのはワインではなく、ハンスさんのリビングに飾られていた花のリースであった。

 何ともいえないアンティークな色のグラデーションの紫陽花をベースに、バラの花が散りばめてある、美しいリースであった。

 訊いてみたらハンスさんの手作りだという。

 あの頃はまだ、電話だけ。メールもSNSもなかった。

  アンティーク電話(独)

 お招きのお礼が伝えたくても、カタコトのドイツ語で電話をするのは至難の業。そこで、当時はよく手紙を書いた。

 日本から持ってきた和風のレターセットは、珍しいらしくよろこばれた。

  和風のレターセット

 ハンスさんに、ワイン試飲会招待のお礼状を出したところ「興味があるなら、一緒にリースを作ってみないか?」とお誘いがきた。

 電話がかかってきたのだ!! 絶対外せない「日時」だけはよく確認したが、ドキドキだった。

 こういうとき「専属運転手でよかった〜」と思う。なぜなら、朝、夫を会社に送り届ければ、日中、車は使い放題だからだ。

 ナビなどなかったが、方向音痴のわたしでも行きたい場所には地図を片手に、今思えば、よく行ったものだ。。

 午前中は銀行で仕事をしていたハンスさん。

 午後に伺うと、すでに材料と道具はキッチンのテーブルに揃えられていた。

 

 半分乾燥した紫陽花と、バラの生花、アイビーの葉、何かの蔓、そして細い針金にフラワーテープ、鋏etc.

 初めて作るリース、手取り足取り、丁寧に教えてもらった。あの美しい紫陽花のリースが自分の手から生まれたときは、ほんとうにうれしかった。

【2025.3.2掲載】

Rei そして次回は、ハンスさんに「生け花」を教えてあげる話です♪

(※背景画像:紫陽花のリース)

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