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#024 ドイツで生け花-2

by Rei
Reported by Rei
BGM "明るく楽しく上品に"
by
TAM Music Factory
Site arranged by 葉羽

Rei ドイツで生け花に導いてくれたのは、現地のドイツ語の先生マイヤーさんでした。

 ということで、「マイヤーさんと生け花」の後編です。

◆マイヤーさんと生け花(後編)

 はてさて、「生け花」というアンテナをはってみると、灯台下暗し!

 Tuttlingenトゥットゥリンゲン(住んでいた町トロシンゲンから車で30分くらい)の市民講座に「生け花一日コース」があるという耳よりな情報が入った。

 トゥットゥリンゲン

 講師はシュトットガルトから来るドイツ人男性だそう。情報をくれたのはアンゲリカ・マイヤーさん。最初のドイツ滞在では、ほんとうにお世話になった。

 当時は、日本とドイツの合弁会社を立ち上げる怒涛の日々。その会社の社長秘書をしていたのがマイヤーさんだった。

 今は人事部も充実し、日本人駐在員の世話もしてくれるが、当時はそんな担当者もいなかった。そんな中マイヤーさんは、よくわれわれの面倒をみてくれた。彼女の仕事ではないのに。

  マイヤーさん

 彼女は、まだまだドイツ語があやしい生徒を心配してか、いっしょに生け花講座を受けてくれた。

 花材は何だったか忘れたけれど、花は3本、それにモンステラのような大きな葉っぱを合わせたような記憶がある。

  モンステラ

「一つ一つの花をよく見て、向きを考え、バランスを取って」そんな説明がされた。受講者は10人くらいだったような? 

  生け花講座

 生け終わると、先生が回ってきて一人ずつ直してゆく。ドイツ人の先生がどう直してくれるのか、わたしは興味津々だった。

 向きをちょっと変えただけで花の表情も変わって見える。さすが先生!

 次の学期にも生け花講座がある、というので、マイヤーさんを誘ったら、面白い答えが返ってきた。

「わたしはgroßzügig(グロースツューギヒ/気前のいい人間)だ。花を飾るなら、どーんと大量に飾りたい。たった3本の花では寂しいし、それも一本一本の向きがどうこう、などと考えるのは時間の無駄(?)じゃない」というのがマイヤーさんの感想だった。

「なるほど。確かにそういう考えもあるね」と妙に感心したことが忘れられない。

 

 後になってわかったことだが、、、

 春になると並ぶネコヤナギの枝や蔓のような枝物は、イースター(復活祭)の卵を飾るためのものだった。

 ドイツのイースター(復活祭)

 毎年この時期になると、枝にきれいに彩色した卵をたくさん吊るし、あちこちに飾る。

 イースターは春の訪れを祝う意味合いもあるお祭りだ。

  イースターの卵装飾

 カラフルな卵の飾りは長い冬を過ごし春を迎えたよろこびを表しているのだろう。

 

 ドイツに行ったばかり、地元Trossingen トロシンゲンの市民講座(外国人のためのドイツ語講座 入門クラス)の申し込みをしてくれたのも、マイヤーさんだった。

 ベルリンの壁が崩壊してまだ数年、クラスメイトはほとんど東ヨーロッパから来た人たちで彼らは仕事をしていた。

  ベルリンの壁崩壊

 だんだん受講生が少なくなり、最後まで通ったのはフィンランドから来た女性とわたしの2人だけ。結局、次の講座は開講されなかった。

 トロシンゲンは外国語学校などない田舎町、ネットもない時代。仕方ないので夫を通し、マイヤーさんに個人レッスンをお願いした。

  トロシンゲンの町

 彼女は快諾してくれ、週に1度、仕事の後に、会社のあった町 Spaichingenスパイヒンゲンのカフェで、ドイツ語を熱心に教えてくれた。

 そのマイヤーさん。もう20年以上も音信不通。会社を辞めて引っ越したときいたが。。。

 どこかで健やかに幸せに、暮らしていることを、心から願っている。

【2025.2.16掲載】

Rei「ドイツで生け花」の話は、この後も続きます♪

(※背景画像:トゥットゥリンゲン)

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