Rei ザルツブルク中央駅に対する「爆破予告」のため、手前の田舎駅フライラッシング駅に足止めされた乗客たち、さてどうする?
◆爆破予告事件(後編)
田舎町のフライラッシング駅で下ろされ、どうしたものか途方に暮れた。
こういう時のために「海外でも電話はできる設定にしておいた」はずだったが、ザルツブルクの友人に繋がらない!!
困ったときはお互い助け合うのはこちらも同じ。近くにいた乗客に相談したら、彼は自分のスマホを貸してくれたが、知らない番号だからだろう、呼び出しても友人は出ない。
乗客はみなホームでガヤガヤしていたが、やがて駅の外へと動きだした。彼等に付いて行ったら駅前に出た。
これといって何もない。駅員もいない。タクシーなんてものもない。
しばらくすると、誰かが呼んだのだろう。タクシーが数台、いや続いてどんどんくる。いつもは一台もいないであろう田舎駅に。
しかし海外のタクシーは抵抗がある。いったい幾ら取られるか、わからない。
あたりは薄暗くなってくる。さすがに何とかしなくては。
要するに、友人と連絡が取れればいいわけだ。そのために必要なのは、Wi-Fiだ!・・Wi-Fiを求めて歩き出す。
Wi-Fi?
と、「Bistro ビストロ」という文字が目に入り、店に入ってみる。髭もじゃのおじさんに「無線LANはあるか?」と訊くと、飲食客じゃないとみたおじさん「そんなものない!」と冷たく追い払われた。
こんな田舎(フライラッシングのみなさん、ごめんなさい)だもの、あるわけないよね、と納得。
ダメ押しで、隣のアイスカフェに入り、同じことを訊いた。
応対してくれたのはみせのイタリア人の女性。事情を話したら、Wi-Fiはないけれど店の固定電話を貸してくれた。
固定からの着信番号に安心したのか、友人がすぐ電話に出てくれた。
親切なその女性のお陰で、暖かい店内でカプチーノの飲みながら、迎えを待つことができた。待つこと30分余り。
友人夫婦は「白馬の騎士」のごとく、買ったばかりという真っ白のテスラに乗ってやってきた。
ほっと一安心!! カプチーノ代に感謝の気持ちを足して、店を後にした。
「爆破予告事件?」日本ではあまり聞かない。
「やっぱりヨーロッパは違うなぁ」と妙に感心した。
ザルツブルク駅近くに住む友人の家からは、駅構内がよく見える。
帰宅した頃には、何事もなかったように、電車が往来していた。
写真は翌朝のザルツブルク中央駅である。
【2025.1.5掲載】
Rei それではまたお会いしましょう♪ |