Rei 花シリーズというわけでもないですが、前回に続き路上に敷かれる一日限りの”花の絨毯”・・「聖体祭」について書いてみました。
◆ドイツの「聖体祭」
ドイツには、全国区ではなくカトリック色の強い南部や南西部の州だけの祝日がある。
Fronleichnam (フロンライヒナム 、聖体祭/聖体の祝日)もその1つだ。
わたしたちが住んでいたBaden-Württemberg (バーデン-ヴュルテンベルク)も聖体祭を祝う州だった。
「聖体祭」とは神聖なるキリストの体と血の儀式らしいが、宗教的な意味合いはよく知らない) 移動祝日なので、日にちは決まってないが、5月〜6月の木曜日である。
キリスト教のお祭りのひとつと捉えるならば、聖体祭の呼び物(?)は、なんと言っても、たった一日限りの Blumenteppich (ブルーメンテピヒ、花の絨毯)である。
聖体祭は、先ずお祭りの衣装を着た信者たちがカトリック教会に集まり、日本でいう山車のような物を担いで、行列を作り町中を歩いていく。
行列の通り道には、あちこちに、祭壇が作られていて、行列はその前で止まって祈りを捧げる。
次の2つの祭壇は、たまたま短期語学留学していた2014年 6月にFreiburg (フライブルク)で撮ったものだ。
祭壇の下にある絵は、色取り取りの花びらや、花そのもの、葉や茎などで描かれている。
絵の題材は、きっと聖書に登場する人物や場面だと思う。
驚くのは、絵の具の代わりとなる、これら何十種類もの色の植物の材料を前もって準備し、短い時間で路上に制作してゆく。聖体祭、たった一日のために。
各町ごと、毎年この日のために、絵のイメージを練って、材料を手配するのだろう。
Blumenteppich (花の絨毯)を初めて作ったとされる町、Hüfingen (ヒュッフィンゲン)は、インさんの住むVillingen (フィリンゲン)から車で30分位の場所にある。
聖体祭には、この町の「花の絨毯」を見に、遠くからも多くの人が集まる。
通り一面を花で埋め尽くされるときく。残念ながら、それはまだ見たことがない。
今年 2024年の聖体祭は5月30日だ。
Rei【2024.6.2掲載】 |