Rei 霞町の庭も、雪柳が散ったかと思ったら、皐月の木々が次々と開花しています。ということで、今回のテーマは「ドイツの花」!
◆花好きのドイツ人
ドイツ人は無類の花好きと思う。
今でも鮮明に覚えているのは、初めて見た Fachwerk (ファッハベルク)と呼ばれる木組み工法で建てられた、大きな農家の窓という窓に、赤いゼラニウムの花が溢れんばかりに飾られていた景色である。
明るいベージュの壁と色のコントラストが印象に残っている。
しかし、ドイツ暮らしが長くなると、窓辺の花はいつもの風景となり、特に写真に収めることもなかった。
震災の後、1 年の半分近くドイツで過ごす生活をしていた頃、福島市内にあるセレクトショップのオーナーさんに「ドイツの街並みと花々が見てみたい」というリクエストを受け、改めて意識をして、写真を撮ってみた。
当時はSchwarzwald (黒い森)の真っ只中にあるSchramberg (シュランベルク)という町にある、ハイデさんの家に住まわせて貰っていた。ハイデさんとの日課だった散歩には、カメラを携え、出かけていた。
ここは、ハイデさんの家の斜向かいにあるBären (ベーレン)という、シュランベルクでは最高級のホテルである。
手前には泉があり、そこに建っているのは時計売りの商人の像である。
かつて、この黒い森地方では冬の農閑期に木彫りの時計を作り、それを背負って行商したそうだ。
Rathaus (ラートハウス 市役所)の前の広場にある、これも泉。
右の建物はCommerzbank (コメルツ銀行) この広場は無線ランがとんでいて、インターネットが繋がるので、よく若者たちがスマホを手に屯している。
教会近くの通り。腰の高さくらいある大きいプランター、同じものが幾つも並んでいる。
日本でいうアパート、集合住宅である。窓辺にはお揃いのプランターが。
2階部分のバルコニー、柵にプランターが取り付けてある。
これは花も美しいが、木組み工法がはっきりわかる建物もいい。
壁に日時計が取り付けてあったり、一見「レストランか?」と見紛うが、普通の家だ。
ただし中には数世帯が住んでいると思う。14世紀に建てられた建物。何百年も手入れして住み続けているところがヨーロッパ。
これは一戸建ての、おそらくキッチンの窓辺。色の組み合わせがシックなので撮ってみた。
日本でもよく耳にする「寄せ植え」の一種だろう。作る人のセンスが問われるのかもしれない。
「天秤計りに蛇が巻きついた飾り」これは薬局のシンボルだ。ここはハイデさんの薬局。
この窓の奥は、薬を保存する部屋で、髑髏のマークがある引き出し(毒薬が入っている?)もある。 もちろん担当者以外は入れない!!
ここは、シュランベルクの隣町 Schiltach(シルタッハ)。シルタッハ川沿いにある小さな町だが、美しい木組みの家々(Fachwerkhäuser)で有名だ。ふんだんな川の水を利用した皮なめし/製革業も盛んだ。
また、水道の蛇口をはじめ、水回りの製品を作る、日本でも有名な会社 Hansgrohe(ハンスグローエ)があり、博物館もある。そこでは昔のバスタブや瀟洒な便座?なども見ることができる。
外から見た写真ばかりだったが、これは中から。こんな具合になっている。
毎年5月になると、ドイツの花屋や園芸店には、様々な花の苗でいっぱいになる。プランターや腐葉土など関連商品もたくさん並ぶ。
今年はどんな風にしようかと考えて作るらしい。毎年、大量の苗に大量の土、肥料を買い込み、窓辺を飾ってゆく。
これらの花々は夏はもちろん、10月くらいまで次々と咲く。そいうった品種が選ばれる。一番人気はゼラニウムである。
そして既にお気づきだろうが、これらの飾り花は外からしか全体が見えない。通る人を楽しませるためのものなのである。
Rei【2024.5.5掲載】 |