Rei ドイツに行ったばかりの頃、望んでも叶わなかった「同僚が住む町 シュランベルクの合唱団に入りたい!」という夢が、19年の後、思いがけない形で現実のものとなった。
2011年の震災を機に、1年の半分をシュランベルクで過ごすという生活が始まった。
ご主人を亡くし自らも薬剤師の仕事を退いたハイデさんと、あのAPOTHEKE看板のある大きな家で 、2人暮らしである。
専用のベッドルームにバスルームまで提供された居候といったところだ。
日々の暮らしは、もちろんハイデさんを中心に回る。彼女は何処へでも連れて行ってくれた。所属するあの合唱団の練習にも。
◆シュランベルクの合唱団
シュランベルクの合唱団の名は、 „Frohsinn“ (フローズィン 陽気/快活)
von jung bis alt ( フォン ユング ビス アルト 老いも若きも)。
女声、男声、若い人中心のゴスペルグループの3つに分かれている。
練習場所は、カトリック教会の隣にある Musikschule(町の音楽学校)である。
ハイデさんの家から徒歩3分。
Probe (プローべ)と呼ばれる練習は、毎週木曜日の夜7時半から。
終わると9時を回るが、それからKneipe (クナイペ)と呼ばれる、日本の居酒屋みたいな店にゆき、サンドイッチをつまみながら軽く一杯??
みんな練習よりそっちが楽しみなのかもしれない。
フランクフルトで開催された「全国合唱大会」にも同行した。
南西ドイツの小さな町シュランベルクから、ドイツの大都市フランクフルトへ。気分はお上りさん。
この大会は、ドイツ全土から大小たくさんの合唱団が集まり、フランクフルトの数ある教会やコンサートホール、それから、幼稚園、介護施設など、色々な会場で歌うのだ。
コンクール形式で順位が決まる部門もあるけれど、わたしたちシュランベルク女声合唱団は、フランクフルト郊外の老人ホームで歌を披露した。
ドキドキものだったけれど、無事に演奏を終えて記念撮影。
私:左上
また、クリスマスを前に、キャンドルが灯るプロテスタント教会で歌った思い出もある。
会場はこの教会。
最後に。
シュランベルクの墓地公園で歌ったこともあった。ドイツでは11月の第3日曜日はTrauertag (哀しみの日)となっている。
昔からではないらしい。第一次世界大戦の戦没者を追悼する意味があると聞いたことがある。
公園の慰霊塔を囲むように合唱団全員で、鎮魂の歌を。
Rei【2024.2.28掲載】 |