|
|
その38「下手がいい 4の巻」 | |
ピカイチ君の絵手紙を元ネタに僕が書いていくシリーズの第4弾。 今回のお題は、これでございます。 「たった一日の命、ニッコーキスゲ」!
7月といえば、まさにニッコーキスゲの季節。 全国にあまねく広がる群生地において、目にも鮮やかな山吹色の絨毯のように咲き誇り、訪れる人の目を楽しませているのでございます。 日光の霧降高原や尾瀬ヶ原の群生地が有名で「ニッコーキスゲ」と呼ばれておりますが、これは「別名」。正式にはゼンテイカ(禅庭花)というのだそうですよ。 キスゲ科の多年草で、“絨毯”をなすサマからはそう見えないのですが、一つ一つの花について見れば、朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう一日花。 はかなく可憐な命でございます。 福島県は特にその景勝地が多く、日光に繋がる尾瀬湿原をはじめ南会津の駒止湿原、裏磐梯の雄国沼湿原植物群落など有名どころが目白押し。 で、この雄国沼には忘れられない思い出が。 あれは高校一年の頃でしたか、われ等“信夫山ワンダーフォーゲルクラブ(笑)の男子生徒4名が初めて遠征キャンプを試みたのが、この雄国沼でございました。 何せ素人集団のこと、これを語りだすと『天衣夢縫』の総集編のようなエピソードが満載なのですが、とりあえず一日目は磐梯山中腹から猫魔山の頂上へと向かい、夕刻に雄国沼へと到着いたしました。 焦げた飯ごう飯にお決まりのカレーをぶっ掛けて夕食を済ませ、さあテントで寝ようかというところで気がついた。 ・・・・・「おい、このテントって4人じゃ狭すぎね?」 リーダーのカンノヒロユキが調達してきたテントはかなり狭隘。横になろうとすると、どうしても身体が触れ合ってしまうのです。 「オイ、こっちくっつくな。気持ちわりー」とお互い言い合いながら、できるだけ間隔を離すように寝るしかありません。 「なんで男同士で来ちゃったかな」・・・いえ、後の祭りでございます。 ところがっ! 山では当然そうなのですが、その夜は特に冷え込みました。 身体は芯から冷えまして、ガタガタぶるぶるの一夜が更け・・・。 ・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ぎゃー! なんで俺たち、シッカと抱き合ってんの!! 失敗。 右の背景写真は、雄国沼湿原のニッコーキスゲ植物群落。まさに山吹色の絨毯でございますね。
|
Copyright(C) Pikaiti&Habane. All Rights Reserved. |