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その26「サブウェイは路地♪の巻」 | |
ピカイチ君の「欧州のまちづくりレポート」のシリーズ第四話でございます。 【ロンドンの地下鉄はダムの監査廊】 山各都市の自由調査の時間は半日から2日あった。 とにかく自分の目で足で時間の限り町並みを歩いて見てくることが大きなテーマだった。 調査は地下鉄がほんとうに役に立った。 イギリスでは1863年に営業された世界最古のロンドンの地下鉄。 英語ではアンダーグラウンド(通称チューブ)という。 日本の地下鉄「サブウェイ」とはイギリスでは路地であり、現地で「サブウエイ」と聞いても変なところを教えてくれることになる。 チューブ用車両は極めて小さくて、178cmの自分はすぐに下車出来るようドア近く立ったが天井につかえ首がまっすぐ立たなかった。 地下通路も狭くまるでダムの監査廊だった。 100年前のイギリス人の体型に合わせたそうだ。しかし、日本ではこの地下鉄営業の5年後にやっと徳川慶喜が大政奉還しているのだ。鎖国と文明、世界が広いことを日本人は知らぬが仏だった。
パリの地下鉄は仙台と同じタイヤ軌道で快適だった。 ロンドンもパリもある一定区間は同一料金で回数券など使いやすいものだった。 ただし、自分で押していく改札ゲートは重く高齢者の方は大変だ。 最初は自分も「アイキャノットエンター」と改札窓口に言って別のとこらから通してもらったくらいだ。 押し方が足りなかっただけだったのだ。 出口はまるで勢いをつけて飛び出す競馬のゲートだ。 しかし、キップは回収しないのだから分からない。 【美術館での感性教育の文化】 ヨーロッパには素晴らしい美術館がいっぱいある。 時間がある限り駆け足で観てみた。 ナポレオンの戦利品のルーブル美術館、駅を改造した印象派のオルセー美術館、ルネッサンス期の傑作のウフィッツィ美術館・・・・・。 本物と作品一つ一つ本物の規模の大きさに驚いた。 入場料は600円程度で安いが観光客で一杯だった。 もちろんここも日本人が占領している。 日本語の案内図、パンフレットがおいてあるぐらいだから。
ここで感心したのは現地の小学生低学年が団体で、ミレーの「落ち穂拾い」について20分ぐらいかけて絵の前で先生が説明をしているのだ。 みな真剣に聞いているのだ。 その上説明が終わって小学生と質疑応答をやっているのだ。その内容は分からないが、感謝する心、美しいものを見る目、宗教心はこんなところから醸成されるのだろう。 うつくしまふくしま、美しい町並み、景観形成・・・・・など、まちづくりの景観流行であるが美しいものを美しいと感じる感性や美しいものを大切にする心がないところに景観づくりは育たない。 景観は行政が創るものでなく、個人のものでも他人の目に触れるすべてが公共性を有しているということと、うつくしいと感じるかどうかが価値判断なのだ。 美しいまちづくりにはなぜ美しいのか、なぜ猥雑なのか。 分かりやすい言葉と共通の感性が必要条件だ。 その意味では日本に小学校の美的感性教育がないのは残念である。 欧米を真似し規格大量生産の高度成長時代には受験勉強は意味があったが、これからは心の豊かさの感性教育は重要だ。
鈴木浩福大学部長に話したところ、日本人の大人の生涯俸2億円、実際生きていくための最小限1億円のうち、住居に1/3、子供の教育費に1/3、車に1/3。そのために一生あくせく働いているという。 自分もその中の一人、心の豊かさ醸成へ使える金はいくらでしょうかとなる。 ヨーロッパ人は住居は基本的に先祖代々の煉瓦の家、教育費に金はかけない。 車はがっちりした多年使用仕様で10年はあたりまえ。 さていろいろ美味しいものを食べたり、美しいものを見たり、オペラを聴いたり、長期バカンスを楽しめる本当の豊かさを享受できるのはどちらでしょうとなる。 また、漏斗(じょうご)のような男性トイレは位置が高く、身長が160cmないと届かない。 ヨーロッパのまちには子供用トイレはない。 まちは大人のためにあり公式の場には子供は出さない。子供は家庭でしっかり社会人にするヨーロッパの教育が伺えた。 次回は、ヨーロッパの公園事情!
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