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その20「歩くスキーで滑川温泉の巻」 | |
今回は、ピカイチ君の雪中露天風呂のお話。問題は旅館から風呂までの道のり・・・何と素足でございます! 年度末の仕事の山場を越え、前の晩の天気予報をみて山形県米沢市滑川温泉に山スキー即決。 アイヌ語で温泉のことをトイ(大地)ケム(血)と言うのだそうだ。 傷を癒すために入る神聖な場所であるという意味らしい。 温泉は大地にも一つの命があることを感じさせる。 温泉自体が地球の裂け目から出る神秘的なものであるから、地球の歴史に思いを馳せること自体が感性を刺激させ、現世の雑念からも解放させてくれる。
さて、ジルブレッタの山スキーかスノーシューか歩くスキーにするか迷う。 雪が最近降ってないことと天候続きから雪は相当締まっていると予想。 4年前から始めた200cmのロシニョールのクロカンスキーを持って、福島駅発7:12米沢駅行きに乗る。 電車はガラガラで暖冬の雪のない福島盆地を巻くように高度を上げ、庭坂駅を過ぎ渓谷に入り高度を上げていく。 春から秋まで毎月のように来ているコース。今回は初めて歩くスキーで挑戦。 足跡もない峠まで勾配がきつく壺足で小一時間。夏場は30分コースを兎、リス、テンの足跡を見つけながら、携帯も届かない、何も聞こえない時間と空間を実感。 峠でクロカンに履き替え雪も締まって一段滑走でスイスイ。 滑川温泉が見えるようになって雪は有に2mを越え、沢に落ちないようトラバースしながら、温泉に到着。 旅館の人が驚いて出てくる。 今の季節。雪道を2時間も掛けて温泉に来る人は、まずおらず変人のたぐいであることは否定しない。 いつものように、500円を払い温泉を頂くことにするが、内風呂ではなく露天風呂の許可をもらう。
冬期間は旅館の人も入らないとか、洗ってないとのこと。ノープロブレム。 旅館からはしごを掛けて地上に脱出、壺足で露天檜風呂に。 雪中行軍、完全貸し切り。源泉掛け流し、湯の華の堆積で湯船でもスイスイのツルツル。 雪の中に冷やした缶ビールをプシュッと、あとは筆舌に尽くしがたいの一言。 湯船でほろ酔いになって、ザックからハーモニカを取り出して、山の歌メロディーと得意のテネシーワルツ。 沢の音、木々から雪が落ちる音が郷愁のAコードの音色とともに残雪に染みこんでいくようでありました。 のぼせた体を雪の上にさらす。 温泉の脇を流れる川は切れることはなく、これが福島市の松川の源流であることは案外知られていない。 この自由な開放感がたまらなく好き。 不確実な不安な先の読めない時代。 不変なるもの、プリンシプル(原理原則)は何か・・・。 そんな雑念も自分の血液はアルコールとともに手足の先まで行き渡り、論理的思考は期待通り出来なくなってくる。 これが自分の内なるプリンシプルなのだろう(笑)。
帰りは自分のトレース(足跡)を戻る。 酔ったせいか、クロカンのスキーのせいか、雪が融けたせいか、下りはスキーが引っかかり、何度か痛快に転ぶ。 またこの自業自得の冷たさが何とも言えない。 しかし立ち上がるときのエネルギーは大変だ。 峠駅では、遅い昼食、お湯を沸かしてラーメンを作る。 13:23福島駅行きに乗って帰宅。さー明日からも頑張るぞー。 滑川温泉は冬期間、湯治、温泉のみ受け付けてくれるとのことでした。 ただし、駅から2時間雪道となります。 山スキー、スノーシューでないと壺足は厳しいと思います。 除雪は4月中旬頃からでしょうか。 どうぞ、天気、雪崩等注意のうえ挑戦してみてください。 トイケムのご褒美が待っています。 【原題:歩くスキーで滑川温泉】 さて、露天風呂といえば混浴。 江戸末期に、デンマークの海軍士官エドワルド・スエンソンが日本を訪れました。 彼は、自分の「江戸幕末滞在記」の中で「男女の浴槽は麻縄が境界線として使われているが、男女を隔てるのに衝立はない。男も女もおたがいの視線にさらされているが、恥らったり抵抗を感じたりすることなど少しもない。」と、驚きを述べています。 僕がバリ島を訪れた時も、道端で裸の胸を出したまま沐浴している若い女性がいまして、全然人目を気にするふうでもない。 しかし、不心得者の団長さんが、「おい!カメラ、カメラ!」と慌てて構えようとすると、彼女は怯えたように胸を隠したのでした。 「身を清める」という行為は、もともと人間として当たり前のことで、それ自体、何も恥ずかしいことではありますまい。 なので、けしてアジアの女性に慎みが無い訳ではなく、自然の営みの中でおおらかさと慎みはきちんと両立しているのです。 むしろ、西欧の風土や戦前の日本において、男女を棲み分けさせたことが、不自然な「劣情」を生む遠因になっているのではありますまいか。 待てよ・・・・そういえば、昔の同僚で「混浴はイヤだ」と言う男性の先輩がいました。 「なんでですか?」と聞いたら・・・ 「だって・・・ 男の方が丸見えで恥ずかしいだろ!」 (ToT) (ToT) (ToT) (ToT) (ToT)。
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