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  冬の旅(さすらう女)  by 真魚

 ヌーヴェル・ヴァーグ屈指の女流監督
 最高傑作

 行く宛てもなく
 ヒッチハイクをするひとりの少女

 曇った彼女の瞳には
 旅で出逢う人々がどの様に映っていたのであろうか

 全編から伝わる寒々しさは
 少女モナの末路への伏線であろう

 

◆冬の旅(さすらう女)(1985/フランス映画)
 監督 アニエス・ヴァルダ
 出演 サンドリーヌ・ボネール/マーシャ・メリル/ステファン・フレイス/ヨランド・モロー/パトリック・レプシンスキー/マルト・ジャルニアス

 少女がひとり、行き倒れて寒さで死んだ。誰に知られる事もなく、共同墓地に葬られた少女モナ。彼女が誰であったのか、それは彼女が死ぬ前の数週間に彼女と出会った人々の証言を聞くほかなかった。そして映画は、バイクの青年たち、ガソリン・スタンドの主人、さすらいの青年ダヴィッド、山にこもって山羊を飼う元学生運動のリーダー、病んで死んでゆくプラタナスを研究する女教授マダム・ランディエなど様々な人々の証言を元に、彼女の軌跡を辿ってゆく……。これは現代社会にとって“自由とは何か”という、これまであまりに語られすぎた、あまりに汚れきった観念を、新しく洗い直し、とことんまで正面から追求しようという姿勢に満ちた作品である。がゆえに、決して夢物語の様な陳腐な形で“自由”というものを扱ってはいない。実話を基にした、アニエス・ヴァルダ監督作品。


Poem by Mao
BGM by Blue Piano Man "alone”
Photo:「冬の旅(さすらう女)」
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