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  オープニング・ナイト  by 真魚

 オープニング・ナイト(初演)
 を控えた一人の女優

 緊張の高まりと相反するように
 彼女の崩壊していく脆い精神状態を
 繊細に描き出したドキュメンタリー的作品

 極限に張りつめた演技をみせる
 ジーナ・ローランズの美しさには
 彼女でなければ表しきれなかったであろう
 貫禄の「女優らしさ」がある

 

◆オープニング・ナイト(1978/アメリカ映画)
 監督 ジョン・カサヴェテス
 出演 ジーナ・ローランズ/ジョン・カサヴェテス/ベン・ギャザラ/ジョーン・ブロンデル/ゾーラ・ランパート/シーモア・カッセル/ピーター・フォーク

 舞台の名女優マートル(ローランズ)は演出家ヴィクター(ギャザラ)や俳優モーリス(カサヴェテス)ら気心知れた仲間たちと新作『二番目の女』に取り組んでいた。ある夜の公演後、群がるファンをかき分け進むマートルに抱きつく一人の少女。“アイ・ラヴ・ユー”を連呼しながら引き離された彼女は走り出すマートルの車を見送り、対向車に跳ねられ即死する。以来、マートルは精神に変調を来たし、酒の量も増え、死んだ少女の幻覚を見るようになる。舞台上では気紛れなアドリブが飛び出すが、これは幻と戦う彼女の切実な叫びの顕われだった。満身創痍の彼女はブロードウェイ初日の晩、遂に失踪してしまう。開演までに帰るという言葉を信じて待つスタッフ。やがて現れた彼女だったが…。


Poem by Mao
BGM by Blue Piano Man "alone”
Photo:「オープニング・ナイト」
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