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私は国際協力の仕事をしていますが、この国に必要な技術で、日本が一番貢献できるのは日本で大工さんや電気工事、配管工事をされている方々の技術ではないかと最近痛切に感じています。 車の修理に関しては、海外から車をバラバラに分解して持ち込み、いとも簡単に組み立ててしまうこの国の人間は、実はものすごい技能を持っているのかもしれませんが、大工仕事に関してはお粗末極まりないです。 先日もオフィスのドアの閉まりが悪くなったので修理を頼んだところ、どのように修理するのかこっそり見ていたら、まずドアがぶつかる部分を削り始めました。 削るといってもやすりで削るような作業ではなく、ノミを使って、まったく問題のないドア枠をガンガン削り始めたのです。 これには驚いてすぐに作業を中断させ、問題はドアの取付金具のほうだろうと説明したら、納得した様子。
更に心配だから見ていたら、ドア枠を外して、どうやら金具をつけ直すようですが、何度やってもうまくいきません。 その内どうするかと見ていたら、ドア枠とコンクリートの間に挟まっている木を、ノミを使って半分に叩き割ってしまいました。 随分豪快なことをするなあと思っていたら、案の定、こんどは木が薄くなりすぎたようで、ドアは隙間だらけ。 さてどうするかと思ったら、今度は、叩き割った木を金づちを使って、隙間に再度埋め込み始めました。 そしてドアが閉まることを確認して、作業は終了。おそらくこんな修理では1週間ももつはずはなく、あまりにひどいので修理代を払うのは保留しました。 この手抜き、いい加減極まりない作業は、別にこの大工に限らず、アパートの修理を頼んだ大工も、キッチンの引き出しを修理できなかったので経験済み、恐らくみんなこのようなレベルなのでしょう。
日本であれば大工仕事というのは、親方の技術を見て、修行を積みながら習得していく職人技の世界なのでしょうけど、そもそも手本になるような人がいないのだから、すべてこのような作業になってしまいます。だからどこのオフィスも引き出しやドアはボロボロです。 大工仕事以外にひどいのは、これも何度もご紹介している電気工事と配管工事です。アパートもオフィスも同様で、壁1枚はがすと、無数の電気コードが、ミミズが絡まり合ったようにごちゃごちゃのまま放置されています。 だからアパートでも一度、電気コードが燃えて、とても恐ろしい思いをしました。 配管もひどいもので、私のアパートでは未だに2箇所のトイレから水漏れがしていますが、最近驚いたのが隣のアパート。 このアパート、数カ月前までは本当に綺麗な建物で、いつもうらやましいと思っていたのですが、先月くらいから、壁がぶくぶく膨れはじめて、何かおかしいぞと思ったら、一気に写真のような状況になってしまいました。
これは、水道管から漏水して、それが壁に浸み出して、壁が削れ始めたのです。 どうやらコンクリートではなく、手抜き工事で砂が詰めてあったようだから、さらに始末が悪いようで、ちょうど私の部屋のキッチンから見える部分が日に日に削れて、ついに穴が開いてしまいました。 私のアパートもひどいものですが、このアパートもかなり悲惨な状況です。
ということで、大工技能研修、電気工技能研修、配管工技能研修、これはこの国にとってものすごく役に立つのではないかと真剣に考えています。 改めて、日本の職人技術の素晴らしさも痛感してます。
以前から目をつけていたLive Spotで、その名もJazzholeというお店に行ってきました。 ここは、Femi Kutiのライブを見たNew Africa Shrineと比べれば、場所も、お店自体もはるかに安全なので一度行って見たかったのですが、なかなかチャンスがなく、この日になってやっと初めて行くことができました。 お店に入ってびっくりしたのが、ものすごい数のCDと書籍が所狭しと並べられています。
よくよく見ればFela KutiのLPなど、マニアが見たら喉から手が出るほど欲しがりそうなものがぞろぞろ置いてあります。 それだけで興奮状態だったのですが、ライブの方もなかなかのものでした。 この日の出演はBEZというミュージシャン。 Jazzではなく、どちらかとAORっぽい曲が多いのですが、特徴的なのが彼のギターはエレガット(ナイロン弦のエレキギターです)、キーボードなしでバイオリンが一人入ってます。 つまり、アコースティックサウンドをかなり重視したバンドなので、おまけにこの会場、音のバランスが非常によかったので、まったく期待はしていなかったものの、思い切り楽しむことができました。
ライブが終わったらCDを買ってBEZにサインしてもらって、大満足で帰ったのですが、アパートに戻って早速CDを聴いたら、まったく面白くないサウンドでがっかり。 どうやらライブのできが素晴らし過ぎたようで、ちょっとこのCDはもう聴くことはないかもしれません。 でもまあ、このお店には大満足。常連になろうかと思っています。
Jazzholeの追加レポートですが、面白かったのが、最近この手の音楽ライブに行くと、必ず顔を見る数名がいます。 (黒人は見分けるのが難しいのですが、白人女性なのですぐにわかります。)
Felaのミュージカルや、Femiのライブでも見たことがある白人女性が何人もいて、どうやらこれは向こうも同様のようで、私の顔を見ると皆さん、おやっと一瞬驚いて、その後、にやっと笑います。 娯楽も限られるラゴス生活、どうやら音楽好きが集まる場所も限られていますので、自働的に何度もバッティングして顔を合わすことになります。
まあその内、音楽交流にでも発展したら面白いですが、できれば日本に戻る前に一度、このような小さめのライブハウスで演奏できないか、ちょっとチャンスを探してみようかと思っています。 (以下は、そのほかの関連写真です。)
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