今回の記事は2006年1月に配信されたもの。ちょうど本日付け配信のMs.Dreamのあの頃レビュー「通信レビュー」part28で取り上げられていたので、こちらも復刻することにしたものです。
鞍馬 ライブドアの役員が何人か逮捕されました。
■ ライブドア役員逮捕
少なくともマスコミでは、耐震強度偽装事件が埋もれてしまうぐらいの大騒ぎになっています。
それでも私たちの生活には体して支障がないのは、それだけ彼らのやっていることが浮世離れしているということなのでしょう。
社長が逮捕され、退任したことを受けて、新しい社長が選ばれました。
60歳の方で、通常私たちが抱いている「経営者」のイメージに合う人です。
年をとっているから、ベテランだから誠実であるとは思いませんが、若い役員や社員の暴走を止める重鎮として、社内に仲間をつくって会社の建て直しに向かってもらいたいです。
■ 組織にとっての必要悪
私の会社にも重鎮がいます。
というか、ボクサーで言えばライト級ぐらいの軽鎮(?)とでも言うべき人たちが手を携えて重鎮を組織的に形成しています。
なので、何か新しいことをしようとすると、前例とか暗黙のルールを盾に、「できない理由」を次々に教えてくれます。
見事な波状攻撃です。
サッカー日本代表も見習ってほしいぐらいです。
勤める会社を構成する社員がどれだけ保守的であるかにもよりますが、サラリーマンになるということは、若い社員にしてみると、こういった重鎮たちを如何に説得して新しいことをするかの戦いだとすら思うことがあります。
そんなときは、「ルールに挑戦するのは若手社員の特権なんだ。自分は言ってみれば必要悪なんだ。」とばかりに、前例とのシナジーをこじつけたり、暗黙のルールの穴を見つけて新たな解釈を展開したりするための都合のいい資料を日々作っています。
■ 悪の栄えたためしは・・・
話はだいぶそれましたが、私のように考えている人たちばかりだったらば、私の会社は確実に大変なことになります。
ルールはまったく役に立ちません。
そしてその通りに、本当になってしまったのが冒頭のライブドアです。
実は私は、ライブドアの社長には少しあこがれのような感情を持っていました。
別にお金を稼いでいるからでも、若いのに経営者として脚光を浴びているからでもなく、前例やルールに挑んでいる、まさに「起業家」というその姿勢に対してです。
その姿勢のベクトルがお金儲けばかりに向いているのはもったいですが、専門知識を駆使して、頭の固い大人達の間をすり抜ける姿は、一種のアンチヒーローとして私の目には映りました。
ヒーローものを観ても、つい悪役に肩入れしてしまう私にとっては、とても気になるキャラクターだっただけに、違法行為を繰り返していたという事実を知ってかなりがっかりしています。
結局「悪の栄えたためしはない。」ということですね。