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 その42 容疑者Xの献身 

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今回の記事はちょうど12年前、2008年10月の「容疑者Xの献身」初上映時に投稿されたものです。

鞍馬 私はドラマものめりこんでみていましたので、映画が公開されるのを心待ちにしていました。

■ 「容疑者Xの献身」ついに公開

ガリレオの映像化には複数の会社が手を上げ、フジテレビの企画が一番よかったので採用されたという記事を以前にどこかで目にした記憶があります。

その決め手となったのが、映画とのコラボだそうで、最初から「映画までいく」というのはどうやら決まっていたようです(勘違いだったらすいません。)。

なので私は当初から、いつになったら映画をやるんだとやきもきしていました。

ドラマから始まって映画で結末を迎えるという趣向は、確か「パ・テ・オ」というドラマが走りだったのではないでしょうか。

そういえば、あれもフジテレビでしたね。

あのころの奥菜恵はすこぶる可愛かったんですけどね・・・。

かなり脱線しましたが、「容疑者Xの献身」観てきましたよ。

■ 個人的には大満足の映画

最初タイトルを聞いたときに、学問的真理の追及に献身的に打ち込むあまり、心ならずも犯罪に手を染めた数学者と湯川先生の対決モノかと思ったのですが、内容的にはそんなレベルのものではないですね。

冒頭、湯川先生に愛というものを論じることの無意味さについてあれだけタンカをきらせておいて、全編で論じているのが献身的な愛そのものというのがまた小憎いです。

途中まで見ている分には、献身と呼ぶにはまだ足りんといいたくなるのですが、「容疑者Xの献身」というタイトルの意味が物語の後半で完全に明らかになります。

よく観ていていると、かなり早い段階で、石神が「何をしでかしたか」の答えは画面に写しだされているのですが、「そうすることで何を狙ったのか」がなかなかわからず、終盤でそれに気づいたときには、「やられた!!」と思いました。

IQサプリでいうところの、「スッキリ」を味わうことができ、個人的には大満足の映画でした。

■ 数式を突然書き始める演技の元祖は・・・

葉羽さんは「前二作の役柄とは全く違ったキャラクターを、観終わってみれば“この人しかいない”というくらい見事に演じ切りました。」との評ですね。

私が観た堤真一の最初の映画は「刑法第三十九条」というもので、その中でも彼は、とても知的ですがやむにやまれず犯罪に手を染めてしまいます。

彼がどんな手段を選んだのか、何故彼がそんな手段を選ばなければならなかったのかは、ぜひ映画を観てご確認ください。

あれもすごいミステリーですよ。しかもすごい演技ですよ。

その映画の鬼気迫る演技の印象があまりに強いので、私としては、今回の映画の役はかなり最初から感情移入ができました。

話はそれますが、彼が出演した「やまとなでしこ」というドラマでも、彼は数学者くずれを演じていましたね。確か、道端にチョークか何かで数式を突然書き始めるシーンもあったように思います。

湯川先生のあの決め演技も、元祖は堤真一なのかもしれません。

いまいち大役に恵まれていないような気がするのですが、彼がすごい役者だというのはゆるぎない事実です。

ひとまず、容疑者Xはお金払って観る価値ありです。

鞍馬【2020.10.6 リニューアル・アップ】

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