鞍馬 昨日家の中を歩いていると、靴下の裏に何かシールが張り付いた感触がしました。
片足で立ち、足の裏を見ると、「検針済み」の文字。それを見て、昼間妻が子どもの服を整理しているのを思い出しました。
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「検針済」 |
あけずにいた、もらい物のシャツか何かの包装に貼ってあったものが、はがれて捨てそびれたのでしょう。
それと同時に、少し前にはやりかけた、スーパーの食品に針などが混入されていた事件を思い出しました。
その後に頻発した硫化水素自殺のお陰かどうかは知りませんが、硫化水素はやや流行に火がついたような気がする一方で、針などの混入はなりを潜めた感じです。
もしそうなってなかったら、スーパーの菓子パンにも、「検針済み」というシールが貼られるような未来もあったのかなと、考えてしまいす。
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こんなモノにも |
一方で硫化水素を使った事件が連続していて、本人以外にも甚大な被害が出ているようなので、われわれにとって、ちっとも平和な日々は訪れていません。
とか言っているうちに、葉羽さんお住まいの周辺では、またちょこちょこそういう事案があった様で…。
そんな、「犯罪のモノマネ」を禁止するような、画期的な方法はないものなのでしょうか?
◆ 模倣罪という罪
これに関連して、いつも私は「事件を安易に報道してしまうことで、守れていない安全もある。」ということを考えます。たとえば振り込め詐欺とか。
通常の判断力というか、倫理観を持っているような人は、そういう事件がおきているという報道を聞いて、「用心しなくては。」と思うわけですが、そうじゃない人はそうじゃない感覚を持ちます。(変な文章だな…)
つまり、「そういう手口もあるのか。うちでもやってみるか。」と思う人もいるということです。その証拠が模倣犯の存在です。
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映画「模倣犯」 |
今回の硫化水素自殺にいたっては、自殺を越えて他殺にまでアレンジする人が出てくる始末です。
こういう模倣犯を防ぐような方法として、「模倣の罪」という罪を創設してはどうかと考えています。
手続き的な課題はありますが、簡単に言えば「模倣犯は刑を上乗せする。」というルールを作ったらどうかということです。
少し具体的に言うと、一部の重犯罪については、事件の公表から、刑の確定した時点の数年後までの間に同一・類似の方法で犯罪を行った場合、その結果のいかんにかかわらず、模倣された犯罪で課せられた刑の全部又は一部を模倣者にも課すというものです。
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モノマネ禁止 |
たとえば、ある手口を使って殺人を犯した犯人に懲役10年が課せられた場合、数年以内に同じ手口で何か事件を起こして逮捕された人は、その罪による刑だけでなく、模倣の罪により自動的に10年以下の刑が上乗せされるというシステムです。
こういうシステムがあれば、事件の発生を早期に報道することのメリットが非常に大きくなりますし、その結果として「事件を安易に報道してしまうことで、守れていない安全もある。」という状態も防げるのかなと思います。
ま、何をもって手口の公表と認定するかとか、同一・類似性をどう判断するかとか、もっと言えば、同一・類似性の判断のために余計に時間がかかって本質的な裁判がちっとも前に進まなくなるとか、メリットを損なわせてありあまるデメリットがあるので、この法案が採用されることはないでしょうけどね。
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裁判 |
とはいえ、私としては、「すでに報道されていて、どういう結果になるか分かってんのに同じことするって、最初の人よりずっと根性悪くない?」という感情があるわけで、そういう事情って裁判官が頭に入れて刑を言い渡しているのかもしれないけれど、もっとシステマチックにやるべきじゃないかと思う今日この頃です。
鞍馬【2019.10.29 リニューアル・アップ】
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