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 その15 脛齧る人々 

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  Opinion by Kurama / Site arranged by Habane
“Walking Man” by Music of my Mind

鞍馬 脛(すね)はなんとなく知っていましたが、齧る(かじる)というのがこういう字だとは知りませんでした。

 ちなみに、カタカナで書いて、「スネカ・ジリ」だと新進気鋭のイタリア人デザイナーのようにも見えてきますね(本文とは何の関係もありませんが…。)

 本当にいろんな慣用句があるものです。

「ほぞをかむ」なんて、実際やった人でもいるんでしょうか?

ほぞ(接合部の出っ張り)

ほぞ(接合部の出っ張り)

←格言の「ほぞ」はヘソのこと。
自分のへそを自分で
噛むことができず、
悔しい思いをするという意味。
噛んだ人…いないと思う(笑)

 さて、毎日新聞の報道によれば、ある調査の結果、既婚者の約6割が過去1年間に自分や配偶者の親から経済的な支援を受けていることがわかったそうです。

 20代約66%、50代でも約半数が支援を受けているというのが驚きです。逆に、自分や配偶者の親に対して経済支援をしたと回答したのは約37%だったとのこと。

 昔、よく親とけんかした時に、「将来面倒なんか見てやんないからな!!」などと私の方から捨て台詞をはいていた記憶があるので、年をとったら子どもが親の面倒を見る方が常識的だという価値観が私の中にありそうなのですが、実態はそうでもないということになりそうです。

 子どもが50代ということは、親は70代~80代です。年金がちゃんともらえるかどうかも怪しい今日この頃、もうわが国には定年退職なんてしている余裕はないということでしょうか?

◆ 両親が元気なお陰

 この報道においては、この事実を受けて、「結婚後もなお、親が子どもにとってセーフティーネットの役割を果たしている実態が浮き彫りになった。」と指摘しています。

 報道された調査結果には、お年玉やお祝い金も入っています。

お年玉

お年玉

 その点の妥当性はさておいて、我が家でも双方の両親や祖母、叔母、大叔母たちから、お年玉、誕生日、お節句、クリスマスなどなどで現金をいただきます。

 彼らの分類に従えば、我が家も「支援を受けている」部類に入りそうです。

 最近は孫の日なんてものもできて、おもちゃメーカーの悪意すら感じます。

 さらに、週末は妻のご両親の家に招かれて食事をご馳走になることが多いですし、平日も、「作りすぎたから。」とか、「もらったから。」と孫に会いがてらいろいろと手料理を持ってきてくれます。

 子どもの服も自分たちではほとんど買ったことがないです。

 よく、「6ポケッツ」などという言葉も聴きますが、うちの子供たちのポケット数は両手では数え切れません。

6ポケッツ・カーゴショートパンツ

6ポケッツ・カーゴショートパンツ

(ロスコ社)

←もちろん、本文とは関係ありません(笑)

 自分たちの収入で暮らしていかれないわけではないですし、子どもたちへのお祝い金などは、子どもたち自身の口座に積み立てていて、生活費としては使っていません。

 なので、「セーフティーネットの役割」というのは我が家には必ずしもあてはまらないかもしれません。

 ですが、さまざまな頂き物のおかげで、私たちが自腹を切らずに済んでいるものの総額はおそらく相当な額にのぼります。

 その浮いたお金が生活費の余剰として我が家の家計を潤しているのは間違いなく、現状の生活レベルを維持できているのは、やっぱり「両親が元気なお陰」と言えそうです。

◆ 眉唾な調査結果

 一方で、みんながみんなそうではないということも、よくわかっています。

 若い父親ひとりの稼ぎだけで、双方の両親を含め3世帯分の生活費をまかなっているなんていう家庭が、世の中には少なからずあるだろうと思います。

 そういう人たちからすると、この調査結果は、かなり浮世離れしたものに感じられるはずです。

三世帯表札

三世帯表札

←三世帯住宅の設計パースも
ネットにたくさんありますので、
意外と需要が
多いのかも知れません。

 しかも、この調査を行った研究所の所長さんは「50代は収入が頭打ちになるなか冠婚葬祭など支出が増える。そのため、年金収入がある親世代から支援を受けることが多い。核家族化が進んでいても、なお家族間には相互扶助が働いていることがうかがえる。」と結論付けているようです。

 正直、「それって本当?」と思ってしまいます。

 私の感覚からすると、50代、特に後半になると、収入が頭打ちになる一方で、子どもたちが親の手を離れ、養育費がかからなくなる分、差し引きで暮らし向きは楽になると思います。

 この点は、一般論として納得のいく部分だと私は思っています。

 それとも、私のこの感覚は大きく間違っていて、定年退職をした両親の年金をあてにしなければまかなえないほどの出費が、50代には待っているのでしょうか?

定年退職

定年退職

 だとすると、20代の夫婦の家計を援助しているのはいったい誰ということになるのでしょうね?

 また、冠婚葬祭などの臨時的な支出のために親に一部の負担を求めることが、本当に経済的支援に当たるのかというにも疑問が残ります。

 経済的支援というのもずいぶん幅が広いようで、それらすべてをひっくるめて「すねかじり」といわれるのは、ちょっと心外です。

 考えれば考えるほど、なんだか眉唾な感じがしてきます。

◆ 勝手な憶測

 これは勝手な推測ですが、毎日新聞は、所長さんの発言を、記事として抜粋する場所を間違えた可能性があります。

 本来は、「若い夫婦の収入はそれほど高くなく、また収入の上昇率に比べて、子どもの養育費などの支出の上昇率がはるかに高い。そのため、両親からの経済的援助を必要とするケースが多いのではないか。また、50代においてもまだ半数を超えている傾向については…。」という発言の後に先ほどの所長さんの指摘が来ていたのではないかと、勝手に想像をしています。

 それでもまだ、「20代の夫婦を誰が援助しているのか?」という疑問は依然と残ります。

かじられてナンボ

かじられてナンボ

 ともあれ、この調査は「仕事と家族」というずっと大きな枠組みで行われているようで、今回話題になった指摘はおそらくほんの一部に過ぎません。

 調査結果の全体は、まだ公開されていない、というか、公開する気があるのかどうかもよくわかりません。

 どういう根拠で、どう結論付けているのかを早く見てみたいです。

鞍馬【2019.10.29 リニューアル・アップ】

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