自らの傷を
いやす ために流す 一滴
生き続ける命を
いやすための 一滴
それは ウルシからの 命の贈物
私たちは その贈物を
自然への敬意と感謝を抱きながら あつめます
太古の昔 わたしたちの祖先は
赤と黒で 器を いろどりました
黒は 失われた命
赤は 生まれいずる命
繰り返す命は その塗り重ね・・・
赤と黒の調べ
再生・・・
会津・漆の芸術祭
〜東北へのエール〜
それは再生への 祈りと願い
暖かい家の記憶
記憶のひとかけら
生き続ける思い出
あたたかい心の記憶
つながる心 つながる命
きずな
ふるさとの空の記憶
心の青空
ウルシ・・・
それは 人と自身を
人と人を つなぐもの
ウルシ・・・
それは 現在 過去 未来
時間を閉じこめながら
それぞれを つないでいきます
東北へのエール
フクシマへのエール
全ての人へのエール
いやしを 自らに秘めながら
フクシマの大きな傷をいやし
東北のうちひしがれた 心をいやし
大地の荒ぶる魂を鎮め
心の再生へ
命の再生へ
地球の再生へ
会津・漆の芸術祭
〜東北へのエール〜
ここからの再生を
あなたと共に
(※この詩は2011年10月2日「会津・漆の芸術祭2011〜東北へのエール〜」のオープニング・セレモニーにおいて、今回の芸術祭のコンセプトを紹介するために、金澤氏制作による被災地・出展作品等のスライドショーに合わせて小林めぐみ学芸員によって朗読されたものです。) 葉羽
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