初回の「イタイ」はどうでしたでしょうか。
しかし、血圧等の薬をもらっていたかかりつけ医に心筋梗塞を起こしたと恐る恐る報告したところ、「薬をのんでいてもなる人はなるからね~」とのお言葉が返ってきました。しかし、それを言われちゃね~。
さて、今回は、おととしの年末に定年を直前に控え、体の総点検をしたほうが良いとの愛妻の勧めで、通常の人間ドックに加えがん対策として*PETと各種腫瘍マーカーの検査を受けました。
現在の通常人が受けられる検査としては最高水準と考えられ、さすがにどこかは引っかかるものだとおもっていましたが、案の定「PAS」前立腺がんの腫瘍マーカー値が5.5ng/mlと64歳以下の*基準値3.5を上回っていました。
女性にはなじみのない部位ですが、その先の象さんのお鼻をごくごく矮小化した筒先から子孫繁栄のため発射される液体を一部作っている器官です。
正常な時は体積が20ml程度でクルミ大だそうですが、何か病変があった時はミカン大までふくらむそうです。
こうなると、その筒先のもう一つの大事な役目である排尿に大きな支障がで、頻尿、残尿感が出て日常生活がたいへん煩わしくなります。
そこで、早速、泌尿器科の専門医の触診(デリケートゾーンの後ろの穴に指が入る)を受けましたが、その結果は異状なしとのことでしたが、PASの値が変わらなかったので、3カ月ほど様子を見ましょうということになりました。
再再度の血液検査の結果、その間に心筋梗塞を起こしたことと関係があるかどうかわかりませんが8.0まで上昇していました。
10以上になると前立腺がんの発生率が20%と言われ、なかなかの数字であり、医師から「セイケン」をしましょうということになりました。
「セイケン」?そうだ、私が医大に事務員として勤務していたころ、泌尿器科の先生に用があり声をかけたところ「セイケンやるからちょっと待って」と言われ、待合室にいたときしばらくして男の野太い声で「ギャ!」とか「ウッ!」という声が聞こえだし、思わず椅子から腰を浮かしてしまいました。
ものすごく痛いんだろうなと頭に刻み込まれてしまいました。
漢字でかけば「生検」(生体検査の略)で、体から細胞の一部を取り出し検査を行うものです。
しかし~その取り出し方が非常に問題で、麻酔をかけるとはいえただでさえデリケートな部分なのに、何本も針を刺すというものでした。
暗澹たる気分でその日を迎えました。
当日は、見たことありませんが女性がお産するときより、よりお尻を突き出した格好をとり、目の前に白い布が垂れ下がりました。
私の場合12本の針を刺すということでしたが、マシンガンのように一度に刺すからすぐ終わるだろうと勝手に思っていました。
しかし、現実はつらいもので火縄銃のように一本、一本弾込めして丁寧に刺していくものでした。
半分終わるころには痛いのに加えて気持ちが悪くなってきました。白布が取り払われ終わったときには冷や汗びっしょりでしたが、まだ「イタイ」が続くのです。
医師がついでに膀胱の中も見てみましょうとのことで、どうやってみるのかすぐにはわかりませんでした。そうなのです。
皆さん御推察のとおり私のショゲカエッタ筒先をつまみ、そのまた細い~尿道にカテーテルのようなものをつっこんだのです。
思わず「ウッ!」と声が出ました。さらに、いつもはうなだれている筒先が直立不動の体制をとっているではありませんか。
興奮した訳ではなく単にカテーテルが柱の役割を果たしただけなんですが。
心筋梗塞の時も導尿管をいれられたとき、手術台の上で跳ね回りオシッコを振り回してしまったように、あんな感じやすく細いところに管を入れるなんて!
ま、前立腺がんがあった場合膀胱に転移することが考えられるので医師としては当然のことなんですが、心の準備ができていませんでした。
幸い時間はごく短く何事もなかったのがせめてもの救いでした。
最後に、検査は感染防止のため2泊3日で行われ検査終了後、排尿時等には2~3回は血尿がでますのでびっくりしないでください。
*PET 陽電子放射断層撮影の略。がん細胞は糖代謝が正常細胞に較べて高く、早期がんの発見に役立つ。ただし、脳細胞等のようにもともと糖代謝が高い組織では判別できない。
*PASの正常値 文献により少々異なり前立腺肥大等でも高くなるといわれてます。
《配信:2016.5.25》by GOTO
葉羽 よかったじゃないか、久しぶりの直立不動が経験出来て。(大笑) |