【昭和 listen】#221〜さすらいのギター
すっかり忘れていたはずなのに、なぜかふと急に、「小山ルミ」という名前が亡霊のように脳内をよぎった。
昭和46年、「さすらいのギター」という曲を日本でヒットさせた当時のアイドルタレント・歌手(1952-。在L.A.)だ。
この曲のオリジナルは、1963年(昭和38年)にフィンランドのバンド The Sounds(ザ・サウンズ)がリリースした「Manchurian Beat」。
更にその原曲を辿ると、ロシアの作曲家 Ilya Alekseevich Shatrov(イリヤ・アレクセエヴィッチ・シャトロフ, 1879-1952)が1906年(明治39年)に書いた円舞曲(ワルツ)だそうだ。
日本では梶原マチ子という人(ボサノバ歌手のようだが詳細不明)が同38年に採り上げ、さらに昭和46年にThe Ventures(ザ・べンチャーズ)が採り上げると折からのバンドブームに乗って大ヒット、すかさず当時の人気アイドル小山ルミがカバーし、これまた大ヒットとなったという流れだ。
昭和46年は、ニクソン・ショック、ドル・ショックがあった年であり、日清食品がカップヌードルの発売を開始し、ボウリングが大ブームになり、マクドナルドが国内1号店を開店させ、日活ロマンポルノ第1作が封切りとなり、横綱大鵬が引退し、群馬県で発生した連続女性誘拐殺人事件の容疑者大久保清が逮捕された年でもあった。
また、この年には寺内タケシや欧陽菲菲らが、翌47年にはザ・ピーナッツがカバーしている。
昭和 listen 通算221曲目は、オリジナル・ヒットのザ・サウンズのバージョンで。
♬ Mandschurian Beat(Manchurian Beat) / The Sounds
毒舌亭(2022.9.21up) |