【常緑音楽館だより】＃ー（再掲）　〜 青い影

　イギリスのロック・バンド、Procol Harum（プロコル・ハルム）のリード・ボーカル、Gary Brooker, MBE（ゲイリー・ブルッカー, 1945-2022）氏がガンのため死去。享年76歳、R.I.P.。

　エリック・クラプトンのバンドに加入したこともある人だ。

　ビートルズ全盛時のこの代表曲は、ロックの潮流がサイケデリックからプログレッシブ、アートロックへと流れる時代に、J.S.バッハの『Orchestersuite Nr. 3 D-Dur BWV 1068 - Air auf der G-Saite（管弦楽組曲第3番「G線上のアリア」）』から引用したとされるオルガンによる荘重なイントロダクションの曲で、John Winston Ono Lennon（ジョン・レノン, 1940-1980）をして「人生でベスト3に入る曲」と言わしめ、ユーミン（1954-）が13歳のときに出会い、作曲活動を始めるきっかけとなった曲。

　多くのアーティストがカバーしたが、中でもSarah Brightman（サラ・ブライトマン, 1960-）やAnnie Lennox（アニー・レノックス, 1954-）、Joe Cocker（ジョー・コッカー , 1944-2014）のものが秀逸だ。

　ユーミンの40周年記念収録バージョンにはプロコル・ハルムも演奏に参加している。

　なお、Procol Harumというネーミングは、猫の血統証明書に記載されていたラテン語から採用したものだそうだが、本当は「Procul Harun」だったのを「Procol Harum」とスペルミスしたらしい。

　※ Evergreen Musicとしては既出のため、今回、通算番号は付さない。
　♬ A Whiter Shade Of Pale（Live 2004） / Procol Harum

毒舌亭（2022.3.2up）