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 NO-356 防人の詩
毒舌亭Presents
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【常緑音楽館だより】#1364 〜防人の詩

 腹痛で時々お世話になるのが「正露丸」。

 これには歴史がある。

 1904(明治37)年、朝鮮半島と満州の権益をめぐる「大日本帝国」と「ロシア帝国」との間の帝国主義戦争=日露戦争が開戦し、翌05年にポーツマス条約(私が訪米したとき、締結式が執り行われた米ニューハンプシャー州ポーツマスの旧ポーツマス海軍造船所(訪問時はホテルになっていた)を視察した)の締結により翌年終結するまで、満州南部や遼東半島、日本近海で激しい戦いが続いた(日本が勝利)。

 この時に、陸海軍が御用薬として将兵に持たせたものが正露丸だ。当時は「征露丸」と言った。

 1949(昭和24)年に、国際関係上、ロシアを征するという意味の名称は良くないということで、「征」を「正」に改めた。

 この日露戦争の旅順攻囲戦における、203高地の日露両軍の攻防戦を描いた作品が、舛田利雄監督、仲代達矢(乃木希典役)主演の映画「二百三高地」(1980)。

 その主題歌が、「男はつらいよ(寅さん)」のテーマ曲で知られる作曲家の山本直純から依頼されて、さだまさしが作詞作曲した「防人の詩」(1980)。

 これをウクライナ出身の歌手、バンドゥーラ(ウクライナの民族楽器)演奏家 Nataliya Gudziy(ナターシャ・グジー,1980-)の演奏と透明で清らかな歌声でお聴きください。

 ナターシャは6歳の時、チェルノブイリ原発事故(父親が勤務)で被爆・避難を余儀なくされ、首都キエフ(まさに今、ロシア軍が猛攻中)に移住後、2000年から日本で活動している。

 今回のロシアによるウクライナ侵略を憤り,悲しんでいるであろうことを思うと切なくなる。

 Evergreen Music通算1364曲目。

 ♬ 防人の詩 / Nataliya Gudziy

毒舌亭(2022.3.2up)

♬ 防人の詩 / Nataliya Gudziy

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