<PREV | NEXT>

 cafe周り……番外編etc

 否応なく行動を制限している毎日
 当たり前が当たり前ではなくなっている

 40年前 ラダックでの新月の夜
 目を開けても閉じても変わらぬ闇に
 言葉を無くした

 風が止むと
 心臓の鼓動が聞こえてくる
 見上げれば
 全ての星々が丸く見える

 その漆黒の闇に
 恐怖に近いものを感じていたが
 それはやがて
 感動へと変わっていった

 そんな事を思い出しながら
 寝付けぬまま外に出て空を見上げた
 幾つかの星がボンヤリ見える

 片目不自由になってから
 暗がりでの手足の先が見えづらくなった
 かつて恐怖から感動へと変わった闇が
 ラダックではなく此処で感じるとは思わなかった

 少しばかり暗くなった視界を
 前向きに受け入れなければいけない
 まだまだ視界は180°

 無意識のうちに
 バッグの中で埃を被っていた
 CONTAXを手にしている

 一時期写真から逃げていた私に
 貴方は写真を撮らなきゃ駄目ヨと
 亡き妻からの誕生日の贈り物だ

 光が見える

大和伸一【2026.6.4掲載】

 Photo by 大和伸一
 MP3 by 甘茶の音楽工房「ブナの森に舞う雪」
 Essay by 大和伸一
 Site arranged by 葉羽


PAGE TOP


 

banner

Copyright(C) Yamato Shin-ichi&Habane. All Rights Reserved.