今回は、実際にある「天空の城」・「天空都市」をコレクション。
「天空の城」と言えばラピュタですが、このところすっかり「日本の天空の城」として有名になってきたのが、兵庫県朝来市の竹田城址。
国の史跡にも指定され、 廃城から約400年を経ていますけれど、石垣がほぼそのままの状態で残っており、現存する山城として日本屈指の規模。
秋から冬にかけた早朝の晴れの日に朝霧が発生することがあり、いつの間にか「天空の城」・「日本のマチュピチュ」などと呼ばれるように。
この幻想的な風景を一目見ようとたくさんの人々が訪れ、2012年には「恋人の聖地」(!)として認定を受けました。
ところが、この竹田城の人気に触発され、我こそ「元祖・天空の城」と名乗りを上げる城が相次いでいます。
まずは福井県大野市にある越前大野城。
1575年(天正3年)に織田信長からこの地を与えられた金森長近が亀山(大野盆地の小孤峰)に城郭を築いたのが越前大野城の由来。
城は1775年に焼失し、1795年には天守を除いて再建されたが、明治維新後に破却。現在の城郭は昭和になってから再建されました。
2014年に有志による「ラピュタの会」が結成され、「天空の城大野城」のPRに努めているとのこと。
竹田城とは違い、(再建されたものとは言え)城郭があるので、確かに「天空の城」の名にピタリ・・かも。
さらに、岡山県高梁市にある備中松山城。別名、高梁城(たかはしじょう)。
こちらの城跡も国の史跡で、江戸時代に建造された天守や二重櫓などが国の重要文化財に指定されています。
標高430メートルの臥牛山山頂にあって、現存天守を持つ山城としては最も高い所にあります。
ほかにも名乗りを上げた城はいくつかありますが、やはり押さえておかなければならないのが、“空中都市”マチュピチュ。(「城」ではありませんが。)
マチュピチュは15世紀のインカ帝国の遺跡で、アンデス山麓に属するペルーのウルバンバ谷に沿った高い山の尾根(標高2,430m)にあります。
1983年に世界遺産に登録され、現在11か所あるペルー国内の世界遺産ではクスコとともに最初に登録されたものです。
何故こんな不便な高地に造られたかについては、未だに分かっておらず、スペイン軍から逃れたインカ帝国の最後の砦とする説や太陽神を崇めるための神殿であった説など様々あり、新・世界七不思議に数えられています。
さて、お次は「元祖・天空の城」として世界的に有名なドイツのホーエンツォレルン城。 をを~何という絶景!
一千年以上にわたるドイツの名門ホーエンツォレルン家の発祥の城で、ドイツ皇帝やルーマニア国王を輩出してきました。
雲海に浮かぶ堂々とした風格の佇まいも見事なものですが、季節が変わった写真ではまた別の表情を見せます。 (↓)
う~ん、ファンタスティック!
次は断崖の上に建つミャンマーの仏塔(パゴタ)。
737メーターもある岩峰は隆起したものではなく、これ全体が火山から吹き飛ばされてきたものと言われています。(それも凄い話だ・・)
頂上のパゴタまでは、宗教上の理由によって観光客も裸足で登らなければなりません。(かなり急な石段の一部が右下に見えている。)
次は「城」ではなく天空の「街」サン・ジミニャーノ。
この街はイタリアのトスカーナ州にあり、美しい塔が立ち並んでいることでよく知られている。
これらの塔は都市内での権力争いの名残りであり、最も力と富を持つ者が最も高い塔を建てた。
最も多いときには70を超える塔が建っていたが、多くは取り壊され、現在残っているのは14のみ。
この町並みの遺構は、1990年にサン・ジミニャーノ歴史地区として世界遺産に登録されました。
そう・・ここは「遺構」のみで、人が住んでいる現在の町は、ここから数キロ離れた場所にあります。
もう一つの天空の街。
現在の岸波通信のナヴィゲーションを飾っているバナー写真の一つ、中東レバノンはガディーシャ渓谷(聖なる谷)の町ブシャーレ。
近くに深い霧を湛えた渓谷、遠くに厚い雲海。もはやこの世のものとは思えない絶景の街です。
ガディーシャ渓谷の東部には世界遺産にも登録されている“神の杉の森”(レバノン杉の森)もあります。
レバノンは岐阜県ほどの大きさの小国ですが、この絶景、「中東のスイス」と呼ばれるのも納得です。
話をぐぐ~っと元に戻し、「天空の城ラピュタ」のモデルになったに違いないと噂される四か所をサクサクと。
最初は、スロヴァキアにあるスピシュ城。
ふもとの町を含めた画像はこんなふう・・。
現在は廃城ということですが、たしかにラピュタの風情によく似ています。
二つ目は、クロアチアの“天空に浮かぶ街”モトブン。
晴れ上がった上の写真では「天空」感が分からないと思いますが、クロアチア航空の機内誌にあったという写真が下。(↓)
どうです、天空感満載でしょう?
モトブンは、イストラ半島中央部に位置する、13~16世紀に出来た城壁に囲まれた街で、周囲には野生のアスパラも自生するワインの産地です。
三つ目も東欧で、スロベニアのブレッド城。
どうです、まるでおとぎの国のようなこの風景!
スロベニア北西部の山中にあるブレッド湖は、この国随一の風光明媚な観光地。これも岸波通信のナヴィゲーションのバナーに登場したことがあります。
湖の手前にあるブレッド島にあるのが聖マリア教会、奥の岩山の上にあるのがブレッド城。素晴らしい!
四つ目は、言わずと知れたモン・サン・ミシェル。
「天空」ではなくて「水上」ですが、ラピュタ感・・すごく出てますねぇ!
実際問題「ラピュタ」のモデルを称する都市は数限りなくありまして、既に真偽を確かめる術はありません。
と言うか、それらを始め様々なイマジネーションが融合してイメージがつくりあげられたに相違なく、”唯一のモデル”を探す作業など徒労でしかないのでしょう。
・・とは言いつつも最後の一枚。
“リアル・ラピュタ”というテーマなら、全く迷いはありません。
自信を持ってお送りするのが、このノイシュヴァンシュタイン城。
どうですか、この“リアル・ラピュタ”感!
この城は、ドイツのロマンティック街道の終点に当たる城・・かのディズニー・ランドの城のモデルでもあることは言うまでもないでしょう。
《配信:2014.9.25》
葉羽 一度は行ってみたい・・。 |