<<Index | <Prev / Next>
 その70 波来湯遥かなり
「モーニングコーヒー」Benchi time

 総工費1億4200万円なり。

 このところ温泉三昧の日々であります。

 昔、会津大学で同僚だったT野さんが、週末に福島の自宅へ戻る途中、よく温泉に寄ってから帰ると聞いて、「なんと物好きな」と思っていたのも今は昔。

 すっかり、その魔力に魅入られてしまったのであります。(T野さんゴメン)

 ま、これも寝たきりだった親父のリハビリを兼ねてのことなのですが、週末にアカスリに行く福島駅の極楽湯に加え、もう一箇所くらい~つまり週2くらいのペースであります。

 特に記憶に残るのは、磐梯熱海温泉の「ユラックス熱海」、福島市佐原の山の中腹にある「あづま温泉」、同高湯温泉の「あったか湯」でしょうか。

 (※会津若松市で毎週行っていた駅前「富士の湯」は別格です。)

 ま、それらのことは追々書くことにして、今回行ってきたのは、飯坂温泉「波来湯(はこゆ)」でございます。

 カリスマ彰が週間コラム「ゲシュタルトな温泉の風景」で、飯坂温泉の凋落を、森晶緒ちゃんがYOROZUアーカイブス「湯けむり逃避行」で波古湯体験を書いていましたので、もう気になって気になって。

 ということで、ある真夏の休日、ケイコと親父と孫のヒビキを連れて、飯坂温泉行きでございます。

ゲシュタルトな温泉の風景

(カリスマ彰の週間コラムより)

 「たしか、飯坂温泉駅から川沿いを北に向かってすぐのはず…」

 「ほら、アレじゃないの?新しい建物が出来てる。」

 「おっ!あんなところに!」

 飯坂電車の終点駅である飯坂温泉駅の前を通りすがるや、いきなり見えてきた特徴ある建物。

 飯坂温泉には9つの共同浴場があるのですが、今年1月1日に建て替えオープンした最も新しい施設がここであります。

 で、早速駐車場に乗りつけようとしましたところ…

 「なにコレ!? 通せんぼしてあるよ。」

波来湯正面

←道路と駐車場の間は通行止め!

 道路と駐車場の間にセーフティ・コーンが並べられ、さらに駐車場側には、隙間無くポールが立っていて侵入できません。

 「今日は休業日なのか?」

 「向こうに別の駐車場があるみたいよ。」

 「うむぅ…」

 しかたなく、身体障碍者で足の不自由な親父やヒビキを降ろし、車を置いてくることに。

遠い駐車場

←まだまだ着かないよ、トホホ…。

 考えるに、この駐車場は身体障害者用であるらしい。

 で、一般車が侵入できないようバリアーを設けてあると思われます。

 ところがっ!!

 見渡す限り、誰一人として係員はおりません。つまり、身体の不自由な人が車でやって来ても、ポールを除けてもらうことは不可能なのです。

 なんたるお役所仕事! …結局、この駐車場スペースは完全な“死にスペース”なのであります。

 で、遠くの駐車場へ車を停め、強烈な日差しの中を歩くハメに。

 建物へ入りますと、あれ…誰もいない。

 どうやらこの一階はトイレがあるだけで、階下の温泉場にエレベータで下りる仕様となっております。

波来湯の入り口

←一体、このスペースは何のために?

 階下へ降りますと、そこが共同浴場の受付になっています。

 職員が一人、二人、三人…あらま、この涼しいところに四人もいる。

 ならば、駐車場にも一人くらい居ればいいんじゃないのか…と、身体不自由な親父の手を引いて来た一市民は、やり場のない怒りがムラムラと。

 ま、怒りに来たんじゃない。風呂入りに来たんだと思い直し、とりあえずジュースでも…ん?

 何だここは!? 水飲み場もジュースの自動販売機もないっ!

 うむむむむ…。(怒りに来たんだっけ、風呂入りに来たんだっけ?)

地下のフロント

←手前はウチの親父。

 料金は、大人300円、子供150円。

 たしか、他の共同浴場、鯖湖湯などは200円だったはずですので、ちょっとお高い。

 でも、施設が新しいから仕方が無いか。

 (でも、身障者用駐車場は事実上死にスペース、炎天下を歩いてきたのに自販機もない。)

 フロントからさらに二階ほど降りまして脱衣場でございます。

 (※注 女湯は別の階だったそうです。)

 ところがこの脱衣場…

 「あれ?鍵がない…。」

 あるのは脱衣カゴだけ。よく見ると、「貴重品はロッカーにお預け下さい」とのこと。

 「先に言えよ!」

 おそらくここへ来る前のどこかにロッカーがあったのでしょう。

 しかしそれならそうで、もっと早くに注意書きを…というのも後の祭り。

 仕方なく、お財布とケータイをパンツの下に隠して浴場へ。

波来湯の入口

←トイレとエレベーターだけ。

 引き戸を引きますと、うっ…

 「狭い!」

 中にはさほど広くないスペースに二つの浴槽が並んでおります。

 片方が41度で、もう片方が44度とのこと。

 「44度!」

 飯坂町の人達は、よほど熱いお風呂が好きなのでしょうか。

 指を入れてみましたが、まるで熱湯風呂…

 「罰ゲームかよっ!」

 断念して、ぬるい方へ入ろうとしましたら…

 「うゎっちっち!」

 入れないほどではありませんが、ゆったり浸かるのはムリムリムリ。

 やむを得ず、身体でも洗おうかとしましたら…

 「なにぃ!? せっけんもシャンプーもない!?」

 うむむむむ。

波来湯の入口

←孫のカナト。

 帰りがまた悲惨でした。

 離れた駐車場から車を持って来ようとしましたら、道路が一方通行。

 うだるような暑さの中で親父やヒビキを待たせ、市内をぐるっとひと回り。

 到着した時分には、誰もが滝の汗。

 いやぁ、いったい何のためにお風呂へ入りに着たのか分からなくなりました。

 もうちょっと、どうにかならなかったもんだろうか?

 いったいどこが運営しているのか?

 ホームページを探しても、設置者も運営主体も見つかりません。きっと、どこか分かりにくいところにでも書いてあるのでしょう。

 ヤレヤレだぜ。←(ジョジョ風)

【波来湯の効能書き】

◆泉質・・・単純温泉

◆知覚的試験・・・無色透明微弱苦味無臭

◆泉温 58.5℃(15.4℃時)

◆ph値 8.48 弱アルカリ性

◆効能・・・神経痛・筋肉痛・関節痛・運動麻痺・うちみ・くじき・慢性消化器病冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進

◆ただし、使い勝手の悪さで怒り心頭となる副作用あり。

 《配信:2012.8.11》

葉羽葉羽 きっと市長さんとかは、自分でここを使ったこと無いんだろうな…。

 

PAGE TOP


 

 Copyright(C) Habane. All Rights Reserved.