このタイトルだけで中国当局に検閲される恐れもあるらしいですが…。
~ということなので、あまり繰り返さず、ここでは「リークス・サイト」と言っておきますが、凄い反響でございますね。
サイトは一斉のサイバー攻撃を受けて閲覧不能になったり、サイト創設者が指名手配されたりとテンヤワンヤの騒ぎになっております。
内部告発やタレコミによって得た外交公文書などの機密情報をネット公開してしまったのですから当然と言えば当然。
でも、今年の7月にアフガニスタンにおける軍事作戦に関する米国防総省の機密文書約9万2000点をネット公開したときには、(少なくとも日本では)これほどの騒ぎにはなりませんでした。
まあ、軍事オタクにはたまらない情報だったかも知れませんが、「普通の人」が見てさほど興味を引く内容ではなかったのでしょう。
ところが今回は、ニューヨークタイムズなど大手メディアを通じて一部公開された内容に、アメリカ政府が各国指導者に関して赤裸々に論評した外交機密公電が含まれていましたので、さあ大変。
どんなものかというと、こんな内容…
(以下、「AFP-BB-NEWS」から部分引用)
■ シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)伊首相
ある米国務省高官によると、「無責任でうぬぼれが強い。現代の欧州指導者として無能」。また、「肉体的にも政治的にもひ弱」で、毎晩パーティーに明け暮れ睡眠不足だという。
|
シルビオ・ベルルスコーニ伊首相 |
■ ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)アフガニスタン大統領
指導者としては「非常に脆弱(ぜいじゃく)」であり、陰謀説に影響されやすい傾向がある。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との関係は前途多難。
■ リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐
信頼のおけるごく一部の側近のみに依存している。また、「肉体的な魅力にあふれた」ウクライナ女性の看護師が付き添わなければ、旅行はできないという。
飛行機で海上を飛行することを恐がり、建物の上層階に泊まることを嫌う。
■ ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)露大統領
国家主席ではありウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相に従属する存在とみられているが、在モスクワ(Moscow)の米国大使館は2人の関係を「バットマンとロビン」に例えている。
■ アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相
メルケル首相については「リスクを負うことを嫌い、非創造的」、ギド・ウェスターウェレ(Guido Westerwelle)外相については「熱情家ではあるが、外交知識はほとんどない」
|
アンゲラ・メルケル独首相 |
■ ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領
米大使館によると、「怒りっぽく権威主義的」であり、側近らを叱りつける傾向が指摘されている。
(引用、ここまで)
…そうだったんですか!
で、北朝鮮の砲撃事件に関する中国外交官の率直な感想について暴露したのがこちら…
(以下、産経ニュースから引用)
今年2月、キャサリン・スティーブンス駐韓米大使が韓国の外交通商部の第2次官だった千英宇(チョン・ヨンウ)氏との会談で交わされた情報だという。
千次官は中国の政府高官2人との会談で「高官2人は朝鮮半島は韓国の主導の元で統一されるべきだと信じており、この意見は北京の指導者層の間でも次第に支持され始めた」という。
千氏はさらに「北朝鮮はすでに経済的に崩壊しており、金正日総書記亡き後、2、3年以内に政治的にも崩壊する。現在、金総書記は三男の正恩氏を後継者にし、中国からの支援を引き続き得ようとしているが、2006年の北朝鮮の核実験以来、中国首脳は北朝鮮の行動に失望。若手指導者たちは、もはや北朝鮮を有益で信頼の置ける友人とは思っていない」とも指摘した。
千氏は北朝鮮が崩壊した際に、中国が軍事介入する可能性も否定。「中国は経済的な関係から北朝鮮ではなく、米日韓に重点を置き始めている」とも指摘した。
統一された国が中国に敵対しない限り、中国はソウルを中心にした南北統一を容認する意向だと考えているというのだ。
千氏は釜山大学を卒業後、外務部(現外交通商部)に入り、朝鮮半島平和交渉本部長、駐英大使などを歴任。今年10月には韓国大統領の外交保安主席秘書官に就任した。
公電は、09年4月に北朝鮮がミサイルを発射したことについて中国の外交の関係者は「平壌が米国の関心を買おうと“だだっ子”のような振る舞いをしている」と決めつけ、世界が考えているほど、中国は北朝鮮をコントロールできていないことも指摘。北朝鮮の行動にはロシア政府も不快感を示し始めた、とも伝えている。
(引用、ここまで)
この二つの情報を見ただけでも、少なくとも日本で話題になるのは必然。
しかし、待てよ…。
前回の「アフガニスタン軍事作戦」と比較すると、まさに“話題性”を狙って情報を出してきた感じがいたします。
もちろん、その情報入手手段は非合法そのもの。どんな理論武装をしてみたところで正当化されるものではありません。
ということは、「注目してもらいたいがためにだだっ子のような振る舞いをしている」…まさに、一番下のリークで論評された某国そのままの行為。
前原外相が「犯罪行為」と断じたのも、けだし当然のことでございます。
《配信:2010.12.1》
葉羽 しかし…こういう情報って騒げば騒ぐほど、みんなが見てしまうのですよね。困ったものでございます。 |