液体金属+磁力→アート。
突然、シュワちゃんのターミネーターの話ですが、やっぱり名作は「2」だったと思います。以後の作品はすべて「2」の焼き直しですもんね。
で、その「2」で何が画期的だったかと考えると、敵方スカイネットが送り込んできたT1000型の極悪ターミネーター。
何せ「液体金属」製なので、倒しても倒しても破壊できない。コレは怖かった。
ところで「液体金属」とは、”常温中で液体化している金属(狭義)”のことで、いくつか実在しています。
有名なところでは水銀、そして近年有名になってしまった放射性物質のセシウムも実は液体金属。現在は様々な合金の液体金属が創られています。
さて、その液体金属に磁性を付加し、流体アートを作ってしまおうという試みがなされています。どんなふうになるかと言えば、こんなふう・・
ををををを~ トゲトゲになったりするんですね。液体でありながら砂鉄のように磁石に吸い寄せられて奇想天外な姿にメタモルフォ―ゼ!
この金属の磁性流体は、マグネタイト(磁鉄鉱)やマンガン亜鉛フェライトなど強磁性微粒子の表面を界面活性剤で覆い、水や油のベースに溶かしこんだもの。
これを用いて制作されたアート作品がこちら。
うむむ、こんなの見たこと無い。さらにこんなのや・・
こんなのも。
まるで目の前に現れたSF世界のようです。
これらは、電気通信大学メディアアート&デザインを研究している児玉幸子研究室の作品。
アートの世界は古典的な絵画・彫刻から、現代美術のインスタレーションまで発展して来ましたが、彼女は新素材や情報通信をアートに応用するというのですから、アートの裾野も広がって来たものですね。
この磁性流体アートは動かすことができ、表面のテクスチャーの種類を変えたり、磁石を微細に操作することで、出来る形も千差万別・・「一期一会のアート」と言えます。
アンブレラあつし氏の水芸も、お天気ですぐに消えてしまうので「一期一会のアート」と言えましょう(笑)
・・と、「磁性流体」についてググっていたら、さらに凄い作品を見つけました。(児玉研究室のものでは無い。)
例えばコレ・・
え? ええええ~!?
そして・・
ぎょ、ぎょぎょぎょぎょ~!
美しい!!!
これらは磁性流体で現出した形をガラスに閉じ込めたようですが、意外性・偶然性を超えて「美」まで到達しているように思います。
そして、造形そのものではなく、液体金属の表面の輝きに着目した「液体金属反射彫刻」という世界も。
夢の世界のようだ・・。
ちなみに、磁性流体を用いたオブジェは既に商品化されており、Amazonなどでも購入できます。
もちろん、磁石を使ったメタモルフォーゼも♪
《配信:2024.3.6》
児玉研究室のサイトなどを参考にしました。 |