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 その5 手塚治虫と主婦の友
「モーニングコーヒー」Benchi time

 え? 手塚治虫が主婦雑誌に連載していた?!(しかも、私小説?!)

 8月15日から、福島県立博物館で「会津とマンガ文化~アニメ監督・笹川ひろしの原点~」の展示が始まります。

 笹川ひろしと言えば、アニメスタジオ“竜の子プロダクション”の立ち上げに関わり、タイムボカンシリーズやハクション大魔王などを手がけた日本アニメ界の功労者。

 彼は、会津の人間だったのです。

 しかも…!

タイムボカン・シリーズ

 長らく弟子を採らなかったマンガ界の巨匠手塚治虫の最初の弟子となった人物が彼、笹川ひろし。

 彼を含め、「会津漫画研究会」からは3名の会員が手塚治虫の初期のアシスタントになった縁で、手塚虫は3回、会津を尋ねているのです。

 うーん…知られざる会津と巨匠手塚治虫の深ぁ~い関係。

 そんなこんなのご縁から、今回の展示企画となったのですが、担当のアベ学芸員は…

 “手塚先生の業績も紹介したいので、手塚マンガも置いてみんなに見てもらいたい”と。

 ついては…

「ねっ副館長、手塚治虫のマンガを持ってません?」

「えっ!あっ!そのぅ…僕も是非、協力しましょう!!」

 などと、安ウケアイをするハメに。

 ところがっ!

 家に帰って調べてみると、確かに手塚作品のほとんどを読んだ筈の僕の本棚に残っているのは…「火の鳥」と「ブラックジャック」くらいのもの。

「さぁーて、困ったぞ…」

 ~と、まあ、いろいろあったワケですが、結局のところ会津漫画研究会(←今も残っている!)に手塚先生の全集があるということで、それを借りることに。

←(考えてみれば当たり前。それが一番早い。)daddy

 で、借りて参りました『手塚治虫漫画全集』全400巻。

 ええー!! 400巻!!

 凄いですねー、400巻ですよ、400巻!

 で、到着するや否や、クダンのアベ学芸員・・・

「副館長、『マコとルミとチイ』は読みました?」

「え? マコと・・・ミコ?」

←(それは、“愛と死を見つめて”!)daddy

「『マコとルミとチイ』ですよ。手塚先生の私小説ならぬ私漫画。」

「ええー!!」(私漫画って…?)

 ということで、早速読みました「マコとルミとチイ」。

 もちろん、この名前は手塚先生の三人のお子さんのこと。

 当然、その内容は、手塚ご夫妻と子供たちの実話をモチーフにしたもので、連載していたのは『主婦の友』!

 知りませんでした、全く!

 しかし、この作品…いいんですねぇ、ほのぼのとしていて。

マコとルミとチイ

 長男のマコちゃん(映像作家:手塚眞氏)の言によれば、“おっちょこちょいのパパ”と“おこりんぼのママ”ということで、あらら・・我が家と同じ!?

 タイトルは三人のお子さんの名前になっていますが、連載は末っ子のちいちゃんが誕生したところでおしまい。

 うーん、恐るべし手塚治虫ファン。

 全然若いのに、こんな主婦雑誌連載のマンガまで知っているとは。

 で、調べてみたら、何とこの連載の前にも同じ『主婦の友』に「ごめんねママ」という作品が連載されていました。

 まだまだ奥が深いぞ、手塚治虫!

 《配信:2009.8.6》

葉羽葉羽 手塚治虫、知ってると思っていたのに自信なくしました…。

 

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