雨も降っているし、仕事も溜まっているので、どうしようかなと迷ってはみたものの前売りチケット(1200円の前売りチケット代に加えてチケットひあシムテム使用料330円及びセブンイレブン発券手数料165円を加えトータル1695円)買っているのだから行くしかないのだけれど。
よく考えたら当日券1500円を買った方が安いじゃないか。ほぼ年金生活者としてはアマチュア・オーケストラがほとんど使っている手数料ゼロのTEKETという簡略なシステムを使ってほしい。リコーという会社はもう事務機器の会社じゃなくてITソリューションを提供するデジタルサービスの企業ではないのか。

今回リコーフィルを聞くのは初めてだが、演奏以外でいろいろと段取りが悪い感じがした。それはともかくリコーは創業90年でその社員やグループ社員及びその家族を中心に構成されているリコーフィルハーモニーオーケストラも今年40周年なのだという。

前半のストラヴィンスキーのバレエ「妖精の口づけ」から抜粋した20分ほどのディベルティメントはちょっと出来が悪かった。ヴァイオリンの音程が悪くてギィギィ弾いている。曲がストラヴィンスキーの新古典主義の洗練された曲なのでこれはちょっと厳しかった。
リコーみたいな大企業のオーケストラだから資金も潤沢なはずだし、人もかなりいそうなものだが、これではアマチュア・オーケストラとしてはBクラスの下というレベル。
前半の2曲目のベートーヴェン交響曲第5番は持ち直したが、それでもなにかこの交響曲の絶望から希望へというメッセージをそこに聞くことはできなかった。音は団子状態のままだ。
今回私が小雨の中を出掛けた原動力になったのは、プログラムがなかなか凝っていたからだ。特に後半のベルリン・フィルのホルン奏者アンドレイ・ジュストが吹くサンサーンスのホルンと管弦楽のための演奏会用小品作品94が注目だったが、これには大満足だった。
さすがにベルリン・フィルのホルン奏者である。明るい音色でテクニックは言うまでもなく完璧。なにより実に余裕たっぷりのステージマナーなのだ。
アンコールは旧ソ連の名ホルン奏者のヴィタリー・ブヤノフスキー(1928~1993)作曲の無伴奏ホルンのための「旅行した4つの都市の印象」。特殊奏法がいろいろ盛り込まれる超難曲だがなんなく演奏していた。
アンドレイ・ジュスト
ジュストはなんと最後の「ローマの松」でもホルンのトップに座って冒頭から吹きまくっていた。こういうスーパースターが一人加わることでオーケストラは一変してしまうのだ。
この「ローマの松」はなかなか聞かせた。指揮者の米津俊広がスロヴェニアに留学していた時にジュストと知り合って友達になったのが、今回の招聘に至った理由だという。
前半はちょっと失望する出来だったが、後半に俄然盛り返した演奏会だった。「ローマの松」を聞くのは2回目かな。あまり演奏会では取り上げられない。ハープ、ピアノ、チェレスタに加えてオルガンも加わる。さらに録音した鳥の鳴き声をスピーカーで流さなければならないのだ。
これに金管のバンダもいるのでアマチュア・オーケストラにとっては実に至難な曲である。今回鳥の鳴き声は大き過ぎたかな。またオルガンは効果があまり無かったかな。