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昨日(4月11日木曜日)、東京文京区・ホテル椿山荘で行われていた藤井聡太名人(21歳)vs豊島将之九段(33歳)による名人戦7番勝負の第1局の2日目は、午後9時22分に豊島九段が投了し先手藤井聡太が141手で勝った。残り時間は、藤井聡太が3分、豊島が1分。

 100手以降はyoutube(元奨ほっしーの将棋チャンネル)で見ていたが、藤井聡太の負けは確実(パーセンテージで23%vs77%で豊島勝勢)でそろそろ消そうかと思っていた午後8時30分。

 ほっしーが「え、どうなってんの?何やらかしたんだ?」と大声をあげたので、消すのをやめて見てみると藤井聡太48%vs豊島52%で互角になっているではないか。

 豊島が122手目に龍で金を取らずに、藤井聡太の金の前に香車を打ったのが大悪手。取れるはずの金が取れなくなってしまったのだ。

 この後、動揺したのか126手にも豊島が緩手を指して一気に先手が勝勢になって、その後は先手藤井聡太が完璧に指して、最後は4一銀という寄せの妙手で勝利。

 歴史的大逆転というyoutuberもいたが、局面は23%vs77%ほど藤井聡太が悪くはなかったようだ。将棋の終盤はそれほど難しい。逆転のゲームと言われる所以だ。

 藤井聡太は、4月7日月曜日にも伊藤匠七段との叡王戦の第1局を名古屋市で戦っており(勝利)、2日おいての対局で疲れがあったのか?藤井聡太らしからぬ雑な指し手を指摘するプロ棋士(千田翔太八段)もいた。

 序盤から豊島のペースで進み、豊島が巧く指した将棋だった。豊島としては悔やまれる一局だった。しかし、やはり終盤力における差が出た将棋なのではないだろうか。

 タイトル戦の中2日は、次の4月20日土曜日叡王戦第2局(石川県加賀市アパホテル佳水郷)、4月23日(火)、24日(水)名人戦第2局(千葉県成田市成田山新勝寺)でも行われるが、最低3日、望ましいのは4日以上だろう。

アパホテル佳水郷

 例えば4月20日の対局を終えたら、20日はアパホテル佳水郷に泊まり、21日に移動。22日には対局場の検分をしなければならないから千葉県成田市に移動しなければならない。将棋の旅鴉みたいな扱いである。

 なにせ八冠王なのだから藤井聡太に負担のないスケジュールに極力すべきではないか。中3日以上のスケジュール調整が当然で、十分可能だと思うが、藤井聡太八冠はそんなに忙しいのだろうか。だとしたらこの多忙こそ藤井聡太の最大の敵ではないか。

 まさか、藤井聡太のちょっと雑な将棋は昨年末からやっている歯列矯正のせいではないだろうとは思うが。

(2024.4.19「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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