明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
実は年末の12月29、30日に山梨県の石和(いさわ)温泉に1泊旅行に出かけた。天気は良かったが寒かった。その旅行記を紹介する。
まず石和温泉駅を出ると、駅案内所の中になんと試飲用の無人自動ワインサーバーが設置されている。さすがワインの山梨である。
一番お高いルミエール赤2015年(ボトル4000円)の30cc 300円をプラスチックグラスで試飲。旨い。石和温泉の旅の始まりとしては上々の滑り出し。
駅名にもなっている石和温泉が有名だが、正確には石和温泉と春日居温泉の2つが隣接していることを今回初めて知った。
泊まったホテルが春日居ビューホテルなので、なんのことかとフロントマンに聞いたら教えてくれたのだ。
私が2020年10月まで関わっていたファッション週刊紙WWDジャパンは甲府のサンニチ印刷で印刷している。
編集部にアマチュアが多くて段取りが悪いので、毎週私も含め誰かが甲府まで日帰りで出張校正に来ていた。
校正が終わるのが遅くて、新宿行きの終電に乗ることもあり、甲府から2駅東の石和温泉に泊まって行こうかなと思うこともあったが、実行したことはなかった。
なんでこの年の瀬に石和温泉・春日居温泉のこの春日居ビューホテルを選んだのかと愚妻に尋ねると、蟹のバイキングがあるためだそうである。
この殻は私が1時間半かけて食べた蟹の殻!いやあ食べたわあ。さすがに蟹は痩せていて味も薄いが、蟹は蟹。
そう言えば今年は、蟹を一度も食べていなかったなあ。
朝食は至って普通の品揃えのバイキングだが、朝風呂に生ビール、最高です。
ここの温泉は無色透明で癖がない。2021年の疲れを癒す。
「信玄餅」の桔梗屋は石和温泉の近く。
お土産には買うが、餅嫌いの私は食べたことはない。
工場見学した。意外にローテクである。
写真はビニールで包む過程。
工場内のコンビニのお茶売り場でも「信玄愛」を痛感する。
桔梗屋は笛吹市発祥だが、隣の甲府市は洋菓子のシャトレーゼの発祥地。
笛吹市の石和温泉にもシャトレーゼのプレミアムラインである「YATSUDOKI」の店があった。
シャトレーゼはもともと小さな饅頭屋だったという。それが今や一大グループになったとタクシードライバーからサクセスストーリーを聞く。
石和温泉駅前の食堂兼居酒屋の「月のうさぎ」で昼飯。
まず山梨名物の馬刺し。
やはり山梨名物の鳥もつ煮。
馬肉のスジ煮。
この店で熱燗にして飲んだのは山梨県南巨摩郡富士川町萬屋(よろずや)醸造店の銘酒「春鶯囀」だが、この「春鶯囀」は日本酒の難読銘柄ナンバーワンだろう。
与謝野晶子が甲州旅行の際に萬屋で吟じた和歌から拝借して命名。「しゅんのうてん」と読む。
名前は聞いていたが、初めて飲んだ。噂に違わぬ銘酒だった。東京ではなかなか飲めない。
シメはお馴染みのほうとう鍋。意外にも薄味だった。
ほうとうは戦場で武田信玄が野菜を宝刀でザクザク切って入れて食べたことが語源らしい。「放蕩児、師走に食べるホウトウか」(笑)。
あったまったところで、帰途につく。
なんか忘れていないかと思ったら、帰りの車窓から見える山々の間から、富士山の偉容が浮かび上がって来た。
いやあ、2021年も暮れていったのだった。
(2022.1.14「岸波通信」配信 by
三浦彰 &葉羽)
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